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マーケティング再入門 
「H2Hマーケティングとは・その24:
レピュテーション・マネジメント(評判の管理)」

「良い評判は磁石のように作用する。人々はそれに引きつけられるのだ」

コトラーは「評判は戦略的に極めて重要で、包括的な事業戦略の一部として経営陣が取り組むべき課題なのだ」として、評判(レピュテーション)の重要性を強調しています。

「イメージ」と「レピュテーション(評判)」は明確に区別する必要があります。

コトラーによると「イメージが企業の信念を反映するものであるのに対し、評判は企業の成果の度合いを市場の観点から反映するもの」であり、「評判は企業への期待と実際に提供しているものの一致・不一致から生じる利害関係の集合体である」ということです。

「イメージが外部の影響を受けやすく、より不安定であるのに対し、評判は、あらゆるイメージを積み上げた結果として生ずるもの」であり、「評判の管理には長期的なコミットが必要になる」ということです。

優れたレピュテーション・マネジメント(評判の管理)について、コトラーは、コーネリア・ヴストの以下の説明を紹介しています。

「体系的な評判管理の中心タスクは、アイデンティティ、ブランド、イメージと、企業の良い評判を望む形で、相乗的に構築し、保持し、保護することで、企業やそのサービスに対するポジティブは態度をあらゆる利害関係者に抱かせ、それを組織の戦略、実務、財務目標と統合し、評価することである。」

また、レピュテーション・マネジメントの中核については、「関連株主を考慮した期待値管理であり、終わりのない変化のプロセスにさらされるもの」と表現しています。

コトラーは「企業は利害関係者を正確に捉え、彼らのニーズ、期待値、レピュテーション全体への影響を特定し、それらを理解し、彼らの要求に応えなければならない」とし、利害関係者のニーズや期待値を把握する手法として、商品のターゲット層や利害関係者集団を「ペルソナ」という形に凝縮し、具体的な「アバター」として表現してみることを推奨しています。

「ペルソナには科学的根拠はないが、顧客や利害関係者をより深く理解するのに有効な手法」であり、「ペルソナの背景を探ることは、利害関係者と企業による価値共創の方法を理解するのに役立つ」、「効果的なペルソナは、人口動態、調査データ、仮説からは得られない、個々の環境内にいる個人を観察し、話を聞くことによってのみ得られる情報に基づいている」としています。

また、コトラーは「統合レピュテーション・マネジメントの出発点は、コミュニケーションのプロを介し、利害関係者に伝達される企業の規範や行動という形を取り」、「コミュニケーションが決定的な役割を果たすため」、「外部期待を内部施策やプロセスに変換するステークホルダー・マネジメント・チームの組成が推奨される」とし、「ステークホルダー・マネジメントは、企業経営の戦略的タスクとなる」としています。

次回は、H2Hブランドマネジメントへ進みたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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