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マーケティング再入門 
「H2Hマーケティングとは・その7:
デザイン思考における試作」

今回は「試作(Prototype)」について。

デザイン思考では、前もって試作品を1つに絞り込まず、複数の観点で選ばれた複数の試作品を作ります。

観点には特に決まりはなく「最も合理的」「最もユニーク」「最も楽しそう」など自由に設定してよいそうです。

概念化段階のブレインストーミングやボディストーミングで出てきた多くのアイデアの中から、複数の観点別にそれぞれ何を試作してみたいか、チームのメンバーで投票し、選ばれたアイデアを何点か試作し、実際に形や目に見えるものにしてみます。

デザイン思考における試作は、出来るだけ手早く、安く、シンプルなものがよいようです。

この段階の試作は、あくまでも“暫定的”に選ばれたアイデアがイノベーションの芽の可能性を秘めたものなのか、メンバーが感じとり評価するためのものなので、手の込んだ試作は不要です。手間をかけてしてしまうと、それに固執し判断が曇ってしまうこともあるからです。

仮に、3つの観点で、3つの試作品を作ったとしても、それらがどれも「イケてない」とメンバーが感じたならば、躊躇なく前段階の概念化のアイデア出しに戻る潔さも必要です。

<早く安く失敗すること>
一見無駄な作業に見えるかもしれませんが、簡素で手間の掛からない試作を繰り返すことは、プロジェクト全体では、むしろ時間とコストを節約できると言われます。

初期段階の試作は、極端な話、数分、数百円でできるような簡便なものでよいそうです。(プロジェクトが後半に入り、アイデアがある程度絞り込まれた段階であれば、もう少し時間と予算をかけてもよいかもしれません。)

<メンバーの思考を深める>
机上の空論を重ねるよりも、簡素な試作をつくり、メンバーがそれを見て触り、何かを感じ取り確認できるならば、次のアイデア出しにそれが生かされます。

<ユーザーとの対話>
試作したものをユーザーに評価してもらうことも有効です。形になったものを、見て触ってもらうことで、抽象的な評価ではなく、より具体的な実感のこもった評価が得られ、意見交換をすることで次のステップが見えてきます。

このような工程を繰り返しながら、複数のアイデアの可能性を検証していきます。次回は、試作(プロトタイプ)から、テスト段階への移行について見ていきたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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