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マーケティング再入門 
「H2Hマーケティングとは・その6:
デザイン思考の概念化」

今回は「概念化(Ideate)」について見ていきます。

概念化段階では、「共感」と「問題定義」によって抽出されたユーザーニーズに対する解決策を模索する途中段階での「アイデア出し」を行います。

最もポピュラーな手法はブレインストーミングです。「問題定義」の着眼点を巡って(そこから逸れないように気をつけながらも)、自由な発想でアイデアを出し合っていきます。

良質で脈のある「問題定義」は、活発で実のあるブレインストーミングを呼び起こすそうです。もしも、ブレインストーミングが盛り上がらないと感じたならば、「問題定義」の立て方に問題あるのかもしれません。その時はそのままブレインストーミングを続け無理に先へ進むよりも、「問題定義」そのものを再考した方がよいかもしれません。

ブレインストーミングでは、ありきたりな解決策で結論を急ぐのではなく、一見突拍子もないことあっても、そうした意見も尊重し拡張発展させ、次のアイデアが芽吹いてくるように心がけます。

一本道の議論よりも、いろいろな角度からアイデアを出し合うことが大切です。一本道の議論は一見筋が通っているように見えても、別の角度から見た時に矛盾があったり脆いところがあるからです。

そのほか、概念化の手法としては、ボディストーミング、マインドマップ、スケッチなども用いられます。

ボディストーミングとは、ユーザーが体験するであろう状態、例えば、車椅子で使って移動してみる、機器を操作してみる、といったように実際の状況・状態に身を置き、身体を動かしながら、機器を操作しながら考えていくものです。

デザイン思考の場合、「共感段階」で既にユーザーと行動を共にし、ユーザーの視点に立って一連の流れを体験しているはずですが、「概念化」で出てきたアイデアを実際の状況・状態でやってみることで新たな気づきがあるわけです。

マインドマップは、個人の思考、チームのアイデアなどを整理しながら、発展させていくのに役立ちます。1枚の用紙に、まずブレインストーミングのテーマ、つまり「問題定義」を書き、それを中心として、ブレインストーミングで出てきたアイデアや派生したサブ・アイデアを枝分かれさせながら繋いでいきます。描いているうちにどの枝に脈があるか(可能性があるか)、枝と枝の関連性、重要度などが見えてきます。

スケッチは、ブレインストーミングで出てきたアイデアを、ごくごく簡単でよいので、絵にしてみる、形にしてみる、ということです。アイデアを具体的に目に見える、手で触れられる形にすることで、次のアイデアが生まれてくる可能性があります。

次回は、試作(プロトタイプ)段階を見ていきます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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