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マーケティング再入門 
「H2Hマーケティングとは・その2:
3つの影響因子、デザイン思考/S-DL/デジタライゼーション」

「H2Hマーケティングモデルは、デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)、デジタライゼーションといった影響因子を新しいマーケティングの考え方へのアプローチとして統合した理論フレームワークである」(「コトラーのH2Hマーケティング『人間中心マーケティング』の理論と実践」)

デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)、デジタライゼーションという3つの概念は、従来個別に語られ実践されてきたものですが、コトラーたちはこれら3つを統合することで、新たなマーケティングのモデルを形成し、「H2Hマーケティングモデル」と名付けたわけです。

H2Hマーケティングモデルは2層構造になっており、一層目は、上記の3つの概念を備えた概念的フレームワーク、二層目は、マーケティングの概念的思考を実装するレイヤーとなります。

まず、一層目の3つの概念について見ていきたいと思います。

デザイン思考・・・人間中心性、顧客に関する深い洞察をベースとした思考法、革新を生む反復プロセスとしてのマーケティング等のマインドセットへの理解を促す。

S-DL・・・様々な考えを統合して人間中心型マーケティングの理論基盤を提供し、協働エコシステムで価値を共創することの重要性を強調する。

デジタライゼーション・・・顧客やマーケターに新たな選択肢を提供し、マーケティングの相互作用や取引の参加者全員に新たな可能性を提示する。

これら3つの概念が統合されたものが、H2Hマーケティングの基層となります。

二層目は、マーケティングの概念的思考を実装するレイヤーで、以下の3つの要素に分かれます。

H2Hマインドセット・・・規範のマネジメントレイヤー/理論的支柱/H2Hマーケティングを成功させるための前提条件

H2Hマネジメント・・・戦略のマネジメントレイヤー/首尾一貫・調整/H2Hマーケティングの戦略立案・調整・制御

H2Hプロセス・・・オペレーションのマネジメントレイヤー/実行・実施/H2Hマーケティングの実務への落とし込み

今回の連載の前半では、本モデルの基層をなすデザイン思考、S-DL、デジタライゼーションについて1つずつ詳しくみていきたいと思います。

後半からは、実装レイヤーであるH2Hマインドセット、H2Hマネジメント、H2Hプロセスについて、それぞれ学んでいきたいと思います。

次回は、まずは「デザイン思考」について、詳しく学んでいきたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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