アンケートメーカー

マーケティング再入門 
「アフター・コロナへ向けたマーケティング・その7」

マーケティング4.0におけるカスタマー・ジャーニー「5Aモデル」の目標は、顧客を「認知(A1)]から、「推奨(A5)」へと進ませること、つまり「コンバージョン率(転換率)」を高めていくことになります。

コトラーは、認知率と推奨率の相関関係を測定し、マーケティングの投資効率を評価する方法として、PAR(購買行動率)とBAR(ブランド推奨率)との相関関係について紹介しています。

PARは、企業がブランド認知(A1)をブランド購買(A4)へとコンバートするのにどれくらい成功しているかを示すものです。

PAR(購買行動率)= 購買行動をとる人の数 / 認知している人の数

一方、BARは、企業がブランド認知(A1)をブランド推奨(A5)へとコンバートするのにどれくらい成功しているかということになります。

BAR(ブランド推奨率)= 自発的に推奨する人の数 / 認知している人の数

アンケート調査の具体例にすると、回答総数100名のうちブランドを認知している人が80名の場合は、A5モデルのA1段階である「認知率」は80%。実際に購入した人が16名であった場合、A4段階の「購入率」は16%。PAR(購買行動率)は、16名÷80名で、0.2となります。

また、認知している人たちの中で自発的に推奨をする人(A5段階)が4名であった場合のBAR(ブランド推奨率)は、4名÷80名で、0.05となります。

ちなみに上記は、回答総数100名のアンケートの場合ですが、回答総数を「市場全体」に置き換えると、100名における認知率は、市場全体における「ブランド認知率」に、100名の中での購買率は「市場シェア」となり、以下のように置き換えることができます。(ただし、これはアンケートが信頼出来るデータである場合に限ります。)

PAR(購買行動率)= 市場シェア / ブランド認知率

上記の関係から、ブランド認知率を80%から90%へ10ポイントアップさせることが出来れば、市場シェアも16%から18%へ2ポイントアップするであろうという予測もできます。

そうしたことから、従来のマーケティングでは、A1(認知)を高めるために広告を投入したり、A1(認知)からA4(購買)へ導くために、多様な販促活動を行ってきたわけです。

しかし、A1を高める広告も、A1からA4へ導く販促も、相応にコストがかかりますし、冒頭に書いた通り「5Aモデル」におけるマーケティングの目標はA1の認知率やA4の購買のアップから、A5の推奨へと変化しています。

つまりPAR(購買行動率)重視から、BAR(ブランド推奨率)重視へと変化したということになります。この続きは、また次回に。

(by インディーロム 渡邉修也)

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