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マーケティング再入門 
「アフター・コロナへ向けたマーケティング・その4:
立地からタッチポイントへ」

「リテール」とは、マーケティングの4P(Product, Price, Place, Promotion)の中では、「Place」に相当するものですが、あくまでもマーケティングの一分野ではあるものの、マーケティングそのものではありません。

コトラーは、マーケティングの進化の過程で、4Pのどの要素が重視されてきたのか、簡潔にまとめています。

価格志向の時代は「price」中心、ブランディングの時代は「Product」中心、モバイル・マーケティングの時代は「Promotion」中心、それぞれマーケティング1.0、同2.0.同3.0という段階と、完全に重なるわけではありませんが、ほぼ対応する関係にあります。

一方、「Place」に関しては、マーケティング1.0からマーケティング2.0の時代までは、「ロケーション」がよく、ターゲットにに最適化された品揃えさえできれば商売はほぼ成功すると言われるほど、「立地」は重要なものでした。

しかしながら、インターネット、スマートフォン、SNSが当たり前になって以降のマーケティング3.0及び4.0では、「Place」は、単に「立地」を表す用語ではなくなり、顧客との接するあらゆるタッチポイントが、「Place」と見なされるようになりました。

従来は、商品パッケージ、広告、プロモーションなど、限定的かつ目につきやすい部分にだけ集中的に気を配れば、ブランドのイメージを形成・維持することが出来ました。

しかし、コトラーは「人々は企業より、ずっと速いスピードで変化」しており、「タッチポイントが細分化し、消費者の情報へのアクセス頻度、そして即時性が増した」現在では、「企業はさまざまなフェーズで、効果的かつ一貫性をもって、消費者の経験を管理していかなければならない」としています。

これはとても大変なことのように思われますが、企業活動やブランド・コンセプトがしっかりしていて、どこを見られても恥ずかしくない状態であれば、むしろプラスに作用します。コトラーの提唱するマーケティング3.0/4.0が目指す、よりソーシャルでオープンな顧客との共創・協働関係です。

あらゆるタッチポイントが「Place」であり、「リテール」であるとも解釈できます。

コトラーは、「カスタマー・ジャーニーとは、人々が多少なりとも意識的に財またはサービスの購入者として行動するときにたどる、ブランドとのファースト・コンタクトから購買状態に至るまでの"旅"である」と定義しています。

マーケティング3.0/4.0時代のリテールの在り方である「リテール4.0」とは、リアル店舗や通販サイトに留まらず、あらゆる顧客とのタッチポイントが「顧客体験」の「場や機会(Place)」になり得、購買とへ導く頻度とチャンスが拡張されたとポジティブに取り組むべきものです。

(by インディーロム 渡邉修也)

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