マーケティング再入門
「これからの商品・サービスの開発・その7」
このシリーズでは、製品開発のプロセスについて、アイデア創出から順を追って復習しいるわけですが、コトラーによると、しっかりとした製品開発を行っていくには、この先さらに何段階ものステップを踏んでいくことになります。
連載で、1つ1つステップをなぞっていくと相当長くなり、また全体像も見えづらくなってきますので、ここでコトラーが提唱する製品開発のプロセスを一度大まかに俯瞰しておきたいと思います。
<新製品開発の意思決定プロセス>
[アイデア創出]→[アイデア・スクリーニング]→[コンセプト開発とテスト]→[マーケティング戦略の立案]→[事業分析]→[製品開発]→[市場テスト]→[商品化]
(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント第12版」より)
コトラーによると、多くの企業では、同時に複数のプロジェクトが進んでおり、それぞれ上記のプロセスのいずれかの段階にあって、企業内でふるいにかけられ、選別され、生き残ったものだけが最終的に商品化されるそうです。
前回までは、3番目の[コンセプト開発とテスト]の部分を復習していたわけです。なので、次のステップは「マーケティング戦略の立案」となります。
ただし、ここでは「マーケティング戦略の立案」については詳しくやらないことにします。なぜかというと、この長期連載の他のシリーズの中で、何度となくマーケティング戦略とは何か、実際に立案の仕方はどのようにするのか等、主にコトラーの本を参考にしなら都度確認し、振り返ってきたからです。なので、この連載を最近読み始めた方は、お手数ですが、ウェブ上に蓄積された過去の記事をご参照願います。
ここでは、マーケティング戦略の立案において必須とされる構成要素のみ、コトラーの本から抜粋して並べておきます。
<「マーケティング戦略の立案」の構成要素>
第1の部分
- 標的市場の規模と構造と行動
- 予定される製品ポジショニング
- 最初の2~3年の売上目標、市場シェア目標、利益目標
第2の部分
- 予定価格
- 流通戦略
- 初年度のマーケティング予算
第3の部分
- 長期売上目標と利益目標
- 長期のマーケティング・ミックス戦略
(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント第12版」より)
このような要素を確認していくことで、そのアイデアがアイデアどまりなのか、事業として有望なものなのか、評価できるというわけです。
(by インディーロム 渡邉修也)