マーケティング再入門
「媒体の選択と効果測定・その2」
媒体選定担当者は、テレビ、新聞、ラジオ、インターネットなど各媒体タイプ別の長所と短所を理解した上で、媒体タイプを選定します。
例えば、テレビは多額の予算がかかりますが、より広いエリアより多くの人々に情報をリーチさせるという点では、実はかなりコストパフォーマンスが高いとされる媒体タイプです。インターネットの普及、テレビの多チャンネル化によって媒体としての影響力は相対的に低下しているとしても、幅広い層に向けて認知度を獲得したい時やブランド力を維持したい場合には、現在でも有効な媒体と言えます。
ダイレクトメール(郵便や宅配メール)は、どんな小さな企業でも手持ちの予算に応じてすぐに実施できると考えられているますが、1千人、1万人、10万人と情報をリーチさせたい標的視聴者の数が多くなればなるほど、他媒体と比べ割高になってきます。ダイレクトメールについては、標的視聴者に絞り込まれた良質のリストを用意でき、送付件数を絞り込める場合に有効な媒体タイプということになります。
新聞と雑誌は似ているようですが特性は異なります。新聞は、短期間に廃棄される可能性がありますが、新聞、特に全国紙は媒体としての信頼度も高く、出稿された広告に対する信頼度も高いとされ、タイムリーな内容の広告に適しています。また、地方紙の場合は、その都道府県での購読率が高く、地元での信頼度も高いため、エリアを限定した広告としてはコストパフォーマンスが高いと考えられます。
雑誌については、雑誌ごとに読者層がぎゅっと絞り込まれているため、商品やサービスのターゲット層にダイレクトにリーチさせることが可能な媒体であり、効率性は高いと言えます。
インターネット広告は、ニュースサイトなど幅広い層がアクセスし閲覧するサイトにバナー広告を出すのは、やはりかなり費用がかかります。
現在は、検索エンジンの検索履歴やページの閲覧履歴などから、そのユーザーが興味を持ちそうな分野や内容の広告を表示させる「ターゲティング広告」が主流なっています。標的視聴者に対するリーチ率とその先にある目標(特定サイトへの誘導や通販サイトでの商品購買など)の達成率(コンバージョン率などと言います)はかなり高くなります。
通常の広告は、広告を見てから実際に購買行動へ移るまでに時間的、空間的な隔たりがあるわけですが、ターゲティング広告から通販サイト、あるいは途中ランディングページをはさむ場合でも、広告から購買へ移行が極めて短いためこれまでの広告とは一線を画しています。通販サイトで販売できるような商材であれば、やはり利用しない手はないでしょう。
ほかにも色々あるわけですが、感覚的に高い・安いと言っていてもはじまらないので「標的視聴者1000人にリーチさせるためにかかる費用」といった一定の基準を設けておくと比較検討がしやすくなります。
(by インディーロム 渡邉修也)