マーケティング再入門
「マーケティング・コミュニケーションの復習・その10」
マーケティング・コミュニケーションは、以下の6つのコミュニケーション手段を、目的に応じてミックスしていきます。
- 広告
- 販売促進
- パブリックリレーションズとパブリシティ
- イベントと経験
- ダイレクト・マーケティング
- 人的販売
(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」より)
昔と比べ、マス市場はミニ市場に細分化され、メディアも、テレビはキー局の寡占状態から多チャンネル化し、生活者の生活時間に占めるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌へ接触時間と頻度は低下しています。一方、インターネット経由、それもSNSを通じての情報伝播の量と速度は増大し続けています。
もともと予算に限りのある小さな会社などが、インターネット系にコミュニケーション予算を集中させるのは当然のことです。
しかし、ここであえて上記6つのコミュニケーション手段を列記した理由は、いきなりインターネット広告などに突き進む前に、それぞれの特性を理解し、“目的に応じたミックス”を検討をしていただきたかったからです。
同じインターネット系の施策であっても、認知度をアップさせたい、ブランドやサービスに関する理解度を深めてもらいたい、好感度をさらに高めたい、購入を迷っているお客様の背中を一押ししたい等々、状況や目的に応じて、コミュニケーションの手段やメッセージ内容は変わっていくことでしょう。
小さな会社でよく行われるコミュニケーションの流れとしては、インターネットのターゲティング広告や新聞折込チラシ、ポスティングなどをスタート地点に(認知度の醸成) → ランディングページへの誘導(認知から理解への橋渡し)→ ホームページへの誘導(より深い理解) → ネットの口コミ(好感度の獲得) → お問い合わせや通販サイトへ導いていく(目標地点)といったシナリオです。
また、顧客リストに登録された見込み客や既存顧客に対しては、DMやメルマガなどの「ダイレクト・マーケティング」と、クーポン券、会員限定セールなどの「販売促進」の組み合わせが有効だと考えられます。
どちらも典型的な例で、本当によくある取り組みですが、1つ1つの目的をきちんと踏まえた上で、各段階における、伝えたい/記憶にとどめてほしいメッセージを精査し絞り込み、形にして(表現して)いくことで、同じ流れでも結果はかなり異なってくるはずです。
また、この連載の中で何度も繰り返していることですが、情報発信側の一人よがりのメッセージではなく、お客様の目線や気持ちに立ったコミュニケーションの目的、手段、メッセージ内容を吟味していくことが大切です。
コトラー曰く「消費者を360度の視点で捉えなければならない」ということです。
(by インディーロム 渡邉修也)