マーケティング再入門
「マーケティング・コミュニケーションの復習・その1」
ウェブ・マーケティングの分野では、次から次へと新しい横文字の用語や新しい技法が登場していますが、それらの内容を見ていくと、以前からよく行われていたことに、単にウェブ技術を応用しただけというものも多いようです。
新しい技法を試すことはよいことですが、それが自社のマーケティング・コミュニケーションにとって、どのような意味を持つのか、自覚しながら活用していきたいものです。
そこで、今回から数回に分けて、マーケティング・コミュニケーションの基本について、重要部分をいま一度復習してみたいと思います。
まずは、マーケティング・コミュニケーションの定義から。
「マーケティング・コミュニケーションとは、企業が自社の販売する製品やブランドについて消費者に(直接ないし間接的に)情報を発信し、想起させよう とする手段である。」(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント第12版」丸善出版)
コトラーはさらに続けてこう述べています。「ブランドの『声』を表すものであり、消費者と対話してリレーションシップを構築する手段といえる」と。
目先の売り上げやコンバージョン率などにとらわれていると、ブランドの「声」であること、お客様との対話であること、関係を構築していく行為であること、 という視点が置き去りにされがちです。
マーケティング・コミュニケーションの方法は、6つに分けることができます。「広告」、「販売促進」、「イベントと経験」、「パブリックリレーションお よびパブリシティ」、「ダイレクト・マーケティング」、「人的販売」です。
また、様々な広告物や媒体、販促ツール、ネット通販、日々の接客活動(例:スマイル・ゼロ円も)、メルマガ等々、これらは全て6つの手法の中の、さらに 個別のツールもしくは技法という位置付けになります。
ブランドの声を発信する際に、誰に、どのようなメッセージを、どんな手段で伝えるようとするのか、具体的な目的や目標を定め、それを的確に実行してい くために、6つの手法のうち、どれを選択すべきか、さらにどのツール・技法を利用すべきか、自覚的に行っていきましょうということです。
例えば、チラシを外部の制作会社などに発注する際にも、ブランドに認知度を高めるのが目的なのか、既に認知は進んでいるがクロージングまであと一歩というお客様に向けたメッセージなのか等、目的や目標が明確になっているだけで、内容もクリエイティブもこれまでより数段よいものに仕上がるでしょうし、効果測定もしやすくなり、予算も有効に使えるようになると思います。
(by インディーロム 渡邉修也)