マーケティング再入門
「チャネルについて考えてみる・その6」
前回は、地域の活性化に取り組む際、最初に声をあげ動き出した個人の想いを、地域の皆で共有し発展させていく時に、参加メンバーが水平的マーケティング・システム的な発想を持って関わっていけるかどうか、というところで終わってしまいました。今回はその続きです。
地域活性化の話しでよく出てくるキーワードとして「よそ者、若者、ばか者」というのがあります。
字面のごとく彼等は、自前で資金や経験、人脈を持っていることが少なく、想いや情熱だけが先行し、手探りでスタートするケースが多いのが実情です。
お手並み拝見とばかり、何の協力もないまま様子見の状態が続いたり、多少協力者が現れたとしても、リーダーにおんぶに抱っ子の状態が長く続くと、どんなに情熱を持った人でも、やはり精神的・経済的にしんどくなり、しまいには折れてしまいます。
地域の課題解決に、ある日突然、強力なリーダーがやってきて、ぐいぐい皆を導いてくれる・・・なんてことは、まずあり得ません。
誰か1人(あるいは1社)に依存するのではなく、問題に直面する地域のメンバー各々が、自立しつつ相互に補完し合う水平的マーケティング・システム的な関係を構築できるかどうか。成功の鍵は、そこにあると思います。
メンバーが集まったら、まずは、地域の有形・無形の資産の棚卸し、参加メンバーの持ちネタのリストアップをお勧めします。(SWOT分析ですね。)
棚卸しをするだけでも、目のありそうなもの、まったく無そうなものに選り分けることができ、そこから、大まかな方向性を見い出すことができます。
個人、町会、商店街、市町村などの、様々な階層(レイヤー)の利害や思惑が重層的に折り重なり、なかなか腹を割った話にならず、表層的な議論に終始し、結局、声の大きな人の意見に集約されてしまうこともあります。
地域の問題で「よそ者、若者、ばか者」が重宝がられるのは、しがらみに囚われず、単刀直入に問題に切り込んでいく突破力が期待されてるわけです。
外部人材をスカウトする場合でも、リーダーシップを求めるのか、意見調整役を期待するのか、アイディア提供なのか、ある程度、的を絞ってスカウトする方が、全てを望むよりは健全で現実的かと思います。
助成金・補助金については、それ自体に問題があるわけではありませんが、いつかはなくなるものです。プランを立てるときは、一過性ではなく、ヒト、モノ、カネ、情報がプラス方向に循環し持続するようなものがよく、「自立」と「持続」がキーワードとなります。「他力」だけは物事は動かないと思います。
話しはつきませんが、地域の話しにあまり深入りするときりがないので、次回はまたマーケティングの復習に戻りたいと思います。
(by インディーロム 渡邉修也)