マーケティング再入門
「チャネルについて考えてみる・その1」
今回からは、マーケティング・ミックスの4Pのうち、「 Place(チャネル、流通)」について復習してみたいと思います。
自社の製品・サービスをどのような経路で流通させていくべきか、流通チャネル(マーケティング・チャネルとも言います)を考えることは、ビジネスにとって大切なことです。
自分で店を構え近隣の人たちにコツコツと販売する。工場で大量生産した製品を代理店などを通じ広範なエリアで販売していく。中間業者を介在させずネット通販で全国区での販売を目指す。様々なやり方がありますが、どれが正解というものでもありません。
自社の製品・サービスにとって、最適な流通チャネルはどれか、複数チャネルをミックスするとしたら、どのような組み合わせが最適かを考えていくことが必要です。
考える要素としては、大まかに以下のようなことがあげられます。
- チャネルの幅(種類)
- チャネルの深さ
- 機能分担
- 動機付け(インセンティブなど)
チャネルの幅(種類)の例としては、アパレルメーカーが新ブランドを市場投入する際に、自社直営店、百貨店、量販店、専門店、カタログ通販、ネット通 販など、多様な販売チャネルの中から、新ブランドの価格ランク、ターゲット層などのブランド戦略にマッチし、しかも売り上げを最大化させるには、どのようなチャネル・ミックスでいくべきか検討するということです。
チャネルの深さとは、最終消費者までのチャネルの段階数のことです。段階が深くなると、その分だけ中間マージンが発生し粗利益が減ることになりますが、自社直営店だけで、全国津々浦々をカバーすることは出来ません。販売エリアを拡張していくために、卸売業者、販売代理店、規模の大きな小売チェーンなどと取引することが必要となってきます。
ネット通販が普及してからは、“ゼロ段階チャネル”と言って、自社運営の通販サイトでのダイレクト・マーケティングを志向するケースも増えていますが、何百万店存在するか分からないネット通販の世界では、そのブランドが既によく知られているか、何か話題性がないと、アクセスがほとんどないという事態も起こりえます。
同じネット通販でも、マージンはかかるものの、ゾゾタウン(社名はスタートトゥディ)のような衣料品専門の通販ポータルサイトに販売を委託することも検討した方がよいかもしれません。
次回は、機能分担、動機付けの概要について復習していきたいと思います。
(by インディーロム 渡邉修也)