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マーケティング再入門 
「価格設定を考えてみる・その5」

前回は「値上げ」をとりあげましたが、今回は「割引」について考えてみます。

ある調査によると「多くの商品・サービスにおいて、価格に敏感なのは、買い手の15~30%に過ぎない」そうです。

にも関わらず、割引競争が発生するのは、手っ取り早く売り上げ目標を達成したいということにつきると思います。

例によって「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」からの受け売りになりますが、「販売部門の管理者は、割引を受けている顧客の比率、平均割引率、割引に依存しすぎている特定の販売員をモニターする必要がある」 として、自社の商品・サービスの“本当の価格”を割り出すための「正味価格分析」の必要性を指摘しています。

割引が頻繁に行われている場合は、この「正味価格分析」をしないと、正しい損益予想ができないからです。

「正味価格」は、「定価」から、「平均割引額」のほか、「プロモーション費」、「流通対策費」などの平均を、差し引いたものになります。

 [正味価格]=
  [定価]-([割引額]+[プロモーション費]+[流通対策費]等の平均)

「正味価格分析」を行うことで、販売現場における割引の適用条件などを規定することができ、利益率の高いものについては、その分を販売店の意欲を高めるためのインセンティブに廻すなど、攻めの販促も可能になってきます。

また、繰り返しの割引は、ブランド価値を下げることにもつながります。そのため、露骨な割引に見えないような工夫をしていく必要があります。

顧客のロイヤルティを高めるための会員限定の優待割引や、数量がまとまった場合の数量割引、ホテルや航空機などの早期予約割引などは、割引の対象者や数量、期間などが限定されているため、ブランド価値を下げるリスクは少ないと考えられます。

また、定価に含まれないオプション部分を無料提供したり、オマケ(プレミアム)をつけることも有効です。通常150円で販売しているPETボトルの清涼飲料水を25円値引きしても、さほどインパクトはありませんが、1個18円で調達したオマケが付いているほうが、恐らく販促効果は高いと思われます。

キャッシュバックについては、場当たり的なキャッシュバックはブランド価値を下げますが、長期契約者などに対して付与する分には、むしろロイヤルティを高める方に作用すると考えられます。

また、割引ではありませんが、価格の表記を「年間12,000円」とするより「月1,000円」とした方が安く感じられたり、高額商品の場合は、分割払いや金利優遇ブランを用意するだけで、買い手の心理的な抵抗感は下がると言われます。

安易に割引をする前に、出来ることはないか探ってみる必要があるでしょう。

(by インディーロム 渡邉修也)

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