マーケティング再入門
「サービスの品質管理・その3」
前回は、パラスラマン、ザイタムル、ベリーの「サービス品質モデル」を復習してみましたが、今回は、同じく3人がサービス品質の向上に不可欠だとする「10の教訓」の中から、これはと言うものをピックアップしてご紹介します。
・期待されるサービスと実際に知覚されるサービスに関する継続的な情報収集。
現在の顧客の評価も大切ですが、まだ顧客になっていない層や、かつての顧客の声や評価も重要です。両方の評価を収集・分析することで、真にお客様が欲していることが分かります。
・顧客が積極的に苦情を言えるような環境を整え、苦情が来たとき、ただちに直接会って対応し、問題解決できるような仕組み作り。
苦情は、さらなるサービス向上の糧となります。苦情は常にあるものとして、クイック・リカバリーを徹底すれば、信頼性はむしろ強化されます。
・公正であること。顧客だけでなく従業員にもはっきりと明示すること。
お客様によってサービスの質や量が異なったりすると、つまり公正さを欠くと、企業としての信頼性が低下してしまいます。公正さが保たれていれば、過剰なサービスをすることなく、顧客の満足度は保たれます。
・顧客の意表をつくこと。
顧客が期待するサービスに「見合った」ものを提供すれば、信頼性は獲得できます。しかし、期待を「上回る」ためには、“想定外の何か”を提供することで、強く印象づけ、感動を与えることも必要になってきます。
・従業員調査
サービスを提供する中で、なぜ問題が生じてしまうのか、解決するにはどうすべきかを従業員に問うことで、サービスの品質向上に対する意識を高める効果が期待でき、実際上の改善アイディアも収集できます。
上記のほか、「10の教訓」としてあげられているのは、
・信頼性(信頼性こそサービス品質の最も重要なことです。)
・基本サービス(プロミスの実行/常識をわきまえる/顧客の話しを聞く/顧客への情報提供/価値あるものを届ける決意など。)
・サービス設計(細部と全体の両面からブラッシュアップしていきます。)
・チームワーク(従業員のモチベーションを高め、組織として気配りと思いやりのあるサービスを提供するために、チームワークは大切です。)
・社内リーダーシップ(サービス体制の設計、情報と技術の効果的利用において優れたリーダーシップが発揮され、それが企業文化へ醸成されていくこと。)
以上の事柄が常に意識され定着すれば、サービス品質は向上していくでしょう。
(by インディーロム 渡邉修也)