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マーケティング再入門 
「サービスを再考してみる・その5」

サービスの4つの特性(無形性、不可分性、変動性、消滅性)の中から、今回は「変動性」について。

<変動性>

同じ値段、同じような内容であっても、いつ、どこで、誰にサービスを提供されるかで、お客様の満足度は異なります。評価や価値までが変動するのです。

同じ旅館に泊まり、同じ部屋、同じ料理だったとしても、担当する仲居さんによって、印象は随分と変わってきます。

「いつ、どこ、誰」に起因する評価変動の振れ幅をできるだけ小さくすることが、サービス提供側の課題となります。

それには、優秀な人材の確保と教育が重要となります。

理想としては、有能で、明るく、気が利いて、テキパキ動き、しかも問題解決力もあるという人材が確保できれば最高ですが、世の中そんなに都合よくはいきません。

しかし、教育でなんとかなる部分も多々あります。最初から“気の利く”人材を確保することは難しくても、お客様が困っているかもしれないこと、望んでいるであろうことに“気づく”ための視点のチェンジと、気づいたことに対して、いかに行動すべきかという意識づけのトレーニングは可能です。

また、評価変動の振れ幅を小さくし、サービスのレベルを一定以上に保つためには、やはり業務手順のマニュアル化も必要なことです。

ただし、紋切り型のものでは、最低レベルは維持できたとしても、お客様の満足を引き出すところまで辿りつけません。

先日、Facebookを見ていたら、イートインのパン屋さんで、取引先への手土産用にパン30個をトレーに乗せてレジに行ったら、「店内でお召し上がりですか、お持ち帰りですか」と訊かれてカチンときたという話しを見かけました。

お客様目線で考え、どのような声がけをすべきか学んでいたら、こうしたことは起こらないはずですが、だからと言って、誰でもすぐに出来るわけではありせん。やはりマニュアルを作る担当者が、お客様の視点で、起こり得る様々なシチュエーションを想定し、適切な対応例を示してあげることが大切でしょう。

また、お客様の声に耳を傾けることも大切です。アンケートやご意見箱、グルーインタビューなどをこまめに実施し、それを1つ1つマニュアルや現場へ反映させていく積み重ねこそが、遠回りなようであっても、やはり顧客満足向上の近道なのではないでしょうか。

次回は、サービスの特性のうち「消滅性」について考えてみたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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