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マーケティング再入門 
「差別化ポイントを発見するには・その3」

前回は、同じ市場内の競合他社だけでなく、潜在的参入者や代替品なども含めた多面的な競合把握について復習してみました。

今回は、多面的な競合把握に有効な「競合マップ」の作成について、復習してみたいと思います。

「競合マップ」の作成は、とても簡単かつ単純です。

消費財であれば、前々回のこのコラムでご紹介した「消費チェーン」の各段階において、それぞれどのような競合が存在するのかということを、各段階ごとにあげていき、一望できるようにマップ化する作業です。

各段階で、どんな競合関係が発生していて、お客様(消費者)が自社の商品を選ぶ理由は何か、他社商品へ流れてしまう理由は何かを、各段階ごとに分析していくわけです。

これにより、各段階における自社の強みと弱みが明確になるのと、今まで気づいてこなかった間接的・潜在的な競合関係が浮き彫りにされること、さらには限られた経営資源をどこに集中投下すべきなのか、といったことが“見える化”されるメリットがあります。

消費財の場合は、「消費チェーン」の時間軸に沿って分析していくことになりますが、サービスの場合は、ニーズやシーン、オケージョンなどで、切り分けていきながら、マップを作成していくことになります。

例えば、150円でレギュラードリップを提供するコーヒーショップの場合だと、「コーヒーが飲みたい」というニーズが発生した段階では、ドトールやスターバックスといった同業他社以外にも、一杯出しの簡易ペーパーフィルター付きのドリップコーヒー、缶コーヒー、セブンカフェのようなコンビニエンスストアのドリップコーヒー、マクドナルドなどのハンバーガーショップなど、数十円から150円未満の価格帯だけに絞り込んでも様々な競合がひしめいています。

「コーヒーショップを利用する理由」を考えると、単に「コーヒーが飲みたい」という理由のほか、「美味しいコーヒーを味わいたい」「軽食」「休憩」「打ち合わせ」「おしゃべり」「喫煙」「読書」「仕事」「時間潰し」「リラックス」「持ち帰り」など、様々な理由があることが分かります。

それぞれの理由に、自社と各コーヒーショップを当てはめていくと、なぜそのコーヒーショップが選ばれているのか、また、直接の競合ではないコンビニエンスストアやハンバーガーショップ、ファミリーレストランなどに、どの段階で、どういう理由で客が流れてしまっているのが見えてきます。

全てに対応するのは、相当な資金力、体力が必要なので、マップを見ながら、自社の強みを発揮できるポイント、改善すべきポイントなどが次第に見えてくるはずです。そこからどのようなマーケティング施策を打っていくべきかを考えることが、知恵の絞りどころになってきます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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