マーケティング再入門
「市場の細分化を復習する・その2」
前回は「マーケティングのSTP」には、セグメンテーション(市場の細分化)、ターゲティング(標的市場の設定)、ポジショニング(市場ポジショニング)があることを復習しましたが、今回はその続きです。
STPというのは、単に3つのマーケティング的な分析作業があることではなく、これら3つにはS→T→Pという順序があるということが重要です。
前回も書きましたが、のっけから「ターゲットは、20代後半のファッション感度の高い女性」などと決めつけてしまってはまずいということです。
「20代後半のファッション感度の高い女性」を“仮設定”してみることは悪いことではありませんが、必要なのは仮設定したターゲット市場やポジショニングが果たして、本当に魅力のある市場なのかどうか、つまり儲かりそうな市場か、また、そのターゲット市場において自社の勝ち目があるのかどうか?ということを検証していかなければならないということです。
市場の細分化を行っていくには、まずは細分化する際にどのような“切り口”が相応しいかどうかを検討するところからスタートします。
「20代後半」というデモグラフィックスも切り口になりますし、「ファッション感度が高い」というサイコグラフィックスも切り口になります。
いろいろな切り口が考えられますが、毎度、同じ切り口でやっていると分析の仕方も思考も硬直化してしまい、新しい発見が生まれにくなるので、切り口を変えて分析してみるということが肝心です。
マーケティングでよく使われる切り口(変数)には、以下のようなものがありますので、自社の製品やサービスを分析するのに、どのようなものが相応しいのか検討してみてください。
<地理的・地域的変数>
アジアなのか、ヨーロッパなのか、同じアジアでも、北東アジアと東南アジアでは生活も違えば、売れるものも異なります。同じ国の中でも、海岸部と山間部、寒冷地と温暖地、都市部と地方ても異なるでしょう。
<デモグラフィック変数>
性別、年齢、世帯規模、所得、職業など、統計的な属性でよく使われるものをデモグラフィック変数といいます。
<サイコグラフィック変数>
文化的な志向、価値観、ライフスタイル、性格、好みなどの心理的特性です。これも重要ですね。
<行動・態度変数>
製品に対する知識、態度、オケージョン(場面、機会)、ベネフィット(品質、サービス、経済性など)、ロイヤルティの状態など、消費行動を起こす際の諸々のキーになる事柄です。
(by インディーロム 渡邉修也)