マーケティング再入門
「データベース・マーケティング その2」
コトラー&ケラーの「マーケティング・マネジメント」の中では、顧客データベースの主な利用法として、次の5つをあげています。
1. 見込み客の特定
ホームページやフリーダイヤルからの問い合わせ、ダイレクトメールの返信ハガキなどのデータを登録し、製品やサービスに関する関心度の高さに応じて、有望な見込み客を絞り込み、さらにDMの発送、電話などでアプローチすることで、見込み客から顧客への転換を図るものです。
2. 顧客に対する提案内容の検討と判断
顧客に対して、より高付加価値=より高額な製品やサービスを提案するようなアップ・セリングや、関連商品の提案をしようとする時に、顧客の購入履歴や、顧客の特性(年収、嗜好、家族構成)、製品・サービスの利用目的などが分かっていれば、的確な提案を行うことができます。
また、顧客データベースの中から、これから新発売する製品・サービスを市場に投入しようとする際に、まったくの新規顧客に対して提案するよりも、既存顧客の中から、ターゲットに近い顧客群を絞り込むことができれば、営業効率は高まります。
3. 顧客のロイヤルティ向上
例えば、客先を訪問をする際、顧客の選好を把握しておくことで、興味を持ってもらえそうな情報提供が可能になります。顧客の心をつかむことができればロイヤルティはおのずと向上するでしょう。
4. 顧客の購買の再活性化
個々の顧客に対して、必要なときに、的をいた提案が提案が行われれば、的中率は高まります。誕生日のメッセージメールは、もはや当たり前になってしまいましたが、結婚式を挙げたホテルから、記念日の前にDMが届けば、レストランを予約しようという気持ちになるかもしれません。子どもの入進学など、家族のライフ・ステージに合わせた提案なども同様です。
5. 深刻なミスの回避
顧客データベースは、ただ単に大量のデータが蓄積しているだけでは、役立つどころか、信用低下につながることもあります。
数日前に断ったはずなのに、同じ会社の別の営業スタッフから、まったく同じセリフの同じような提案の電話を受けることはしばしばあることです。飛び込みの電話営業くらいなら、仕方ないと許せるかもしれませんが、既に取引のある会社から、そのような営業を受けたら、いったいどのような顧客データの管理をしているのかと、怒りを買っても不思議ではありません。
次回も、引き続きデータベース・マーケティングについて復習していきます。
(by インディーロム 渡邉修也)