マーケティング再入門
「顧客生涯価値について」
超高齢社会、少子化の大きな流れの中、国内消費市場は一部の製品・サービスを除くと、中長期的には次第にシュリンクしていくことが予想されます。
そうした状況下、ビジネスを行う際に欠かせない視点が顧客生涯価値(CLV:Customer Life time Value ※注)です。
※注:日本ではLTV(Life time Value)の方が使われることが多いようです。
顧客生涯価値(CLV)とは、製品やサービスについて、顧客が生涯を通じて、どれくらい利益の創出に貢献してくれそうなのかを算出したものです。
全ての顧客の生涯価値を個別に予想していくわけにはいかないので、全顧客、高購買単価の顧客、高頻度購買の顧客など、幾つかのグループに分けて比較分析していくことになります。
生涯販売額については、「(平均購買単価)×(購買頻度)×(年数)」で求めることができますが、製品やサービスの提供にかかるコストも考慮しなければなりませんので、顧客生涯価値(CLV)は下記のように表すことが出来ます。
CLV=(平均購買単価)×(購買頻度)×(年数)/(新規獲得コスト+顧客維持コスト)
一説によると、新規顧客を獲得する費用は、既存顧客を維持する費用の5倍かかると言われています。
通販サイトなどでは、この差はもっと大きくなります。一度商品を購入し、そのサイトを安心・安全だと評価し、クレジットカード情報や届け先情報(会社や自宅)を登録してしまうと、2回目以降の購入における心理面、作業手順における障壁はぐっと下がります。(アマゾンやスマホ用のアプリのダウンロードなどで、皆さんも実感されていることでしょう。)
顧客生涯価値を高めていくには、「顧客単価」もしくは「リピート購買率」を高めていくことになります。
シュリンクしつつある市場で、「顧客単価」を高くできる製品・サービスは少ないため、多くの場合は「リピート購買率」のアップを目指すような施策をとっていくことになるでしょう。
それは、顧客の中における自社へのロイヤルティを高めていくような施策になります。ロイヤルティが高まることで、カスタマー・エクイティもまた高まっていきます。
カスタマー・エクイティについては、また次回に。
(by インディーロム 渡邉修也)