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マーケティング再入門 
「戦略的パートナーシップとは」

前回は、事業戦略の策定に絡めてマイケル・ポーターの「5つの競争要因」を復習ました。

ポーターは、戦略の定義について「ユニークで価値のあるポジションを築くこと」としています。

ポーターは、また「競合他社とは違うことをするか、同じことを違うやり方ですることができて初めてその企業は戦略を持っている言える」とも言っています。

世の中、色々なビジネスがありますが、戦略的な差別化を達成するのは並大抵のことではありません。

ありきたりの差別化策は、すぐに競合他社に真似されてしまい、競争の中で埋もれてしまいます。

ユニークで価値のあるやり方で、他社の追随を許さないスピードでポジションを取り、そのポジションを維持していくために、さらなる手立てを絶え間なく打っていく必要があります。

コトラー&ケラーの「マーケティング・マネジメント」の中では、こうした競争優位のポジションを1社単独で築き、維持していくことの難しさを指摘した上で、「戦略的提携」の必要性を説いています。

確かに、企画、生産、物流、卸売、小売、アフターサービスまで全て自社の内部スタッフだけでまかなえる企業がそうそうあるわけではありません。

「マーケティング・マネジメント」の中では、戦略的提携の多くは、マーケティング提携の形をとるとして、次の4つのカテゴリーをあげています。

1) 製品またはサービス
ブランドのライセンスを供与するライセンス製造や、共同開発の製品など。

2) プロモーション提携
ファーストフードの子ども向けのセットメニューなどで、アニメのキャラクターのノベルティグッズなどを提供するなど。

3) ロジスティクス提携
ある企業の物流網に、提携企業の製品を乗せて流通させるような例。

4) 価格コラボレーション
2社以上の企業が、同時に割引キャンペーンを行うなど。

自社の強みを補強し、弱みを相殺するようなパートナーが見つかれば、企業はより少ないコストで大きな売上を獲得できます。

コトラーは、近年成果をあげている企業の多くはそうした創造的なパートナーシップを形成し運営できる能力を持っており、企業にとってのコア・スキルとなっていると指摘しています。

(by インディーロム 渡邉修也)

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