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マーケティング再入門 
「事業戦略の策定について」

「目標は事業単位が達成したいことを示しているが、戦略とは、目標に至るた めのゲーム・プランである」(コトラー&ケラー「マーケティング・マネジメ ント」より)

「競争の戦略」などの著作で有名なマイケル・ポーターは、戦略について「さ まざまな種類の活動を伴ったユニークで価値のあるポジションを築くこと」と 定義しています。

ポーターは、戦略の基本パターンとして、「コスト・リーダーシップ」、「差 別化」、「集中」という3つをあげています。

コスト・リーダーシップの場合は、競合他社よりも低い価格を常に追求してい くことになりますが、この戦略は、相当なスケールで事業展開できる場合に限 られるでしょう。

差別化は、顧客のベネフィットを細分化した上で、品質、価格、クイックレス ポンス、サポートサービスなどの内、自社が強みを発揮できそうな分野での No.1を目指す戦略です。SWOT分析などを入念に行った上で、No.1になるための 具体的なロードマップを描いていくことになるので、この差別化戦略もやはり 相応な経営資源を持った企業に限定される戦略にではないでしょうか。

このメルマガの購読されているのはどちらかというとスモールビジネスの方々 が多いと思われますが、そうしたサイズのビジネスの場合は、「集中」が最も 有効かつ現実的な戦略パターンになると思われます。

集中戦略とは、1つか2つの狭い市場セグメントに絞り込んで、経営資源を集中 させ、その標的セグメント内でのコスト・リーダーシップもしくは差別化を追 求するというものです。

ポーターは、標的セグメントにおける競争優位を検討・検証するための「5つ の競争要因(5 Forces)」をあげています。

・顧客の交渉力:販売価格の駆け引きなど、マージン引き下げ要因となる。
・サプライヤーの交渉力:仕入れ価格の駆け引き。
・類似製品の脅威:類似製品の存在は価格競争を生み、利益低下につながる。
・競争の激しさ:マーケティング費、研究開発費の増加は利益低下につながる。
・新規市場参入者の脅威:競争が激化し、価格、収益に影響する。

この「5 Forces」については、ポーターの「競争の戦略」が出た80年代前半と 比べ、市場環境の変化スピードが速まり、業種・業態の垣根が曖昧になった現 在では、どれだけ有効なのか疑問視する見方もあるようですが、そうした事実 を踏まえつつ活用していく分には、今でも充分に使えるフレームワークの1つ だと思われます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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