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マーケティング再入門 
「事業の再定義、事業ポートフォリオ」

ベンチャーとして、最初から会社を計画的に立ち上げた場合は、事業の定義はしっかりとしていると思います。

弊社の場合は、目の前に仕事があり、それをやっているうちに会社になっちゃったいう結構いいかげんな起業であったため、事業の定義もまあ、それほど練り込まれたものではありませんでした。

何かの技術を基に、それを生かして生業にしている方は、まあ、似たような感じかと思います。

しかし、起業から数年が経過し、事業内容や事業環境が少しずつ変化してくると、事業を再定義する必要性を感じてくると思います。

事業の再定義は、中小・零細企業にかぎらず、大企業でも行われていることです。

例えば、ゼロックスは、かつては「我々はコピー機を作る」でしたが、現在は「我々はオフィスの生産性を改善する」に変わり、IBMも「ハードウェア及びソフトウェアの製造業」から「ネットワーク・ビルダー」へと変更しています。

80年代以降は、ものごとの発想法がプロダクト・アウトから、マーケット・インへと変化したことを受けて、その会社が何を製造しているかよりも、どのようなことで顧客を満足させることが出来るか、という視点で事業を再定義する企業が多くなっています。先程のゼロックスはその典型例です。

コトラーによれば、事業を再定義するあたって気をつけなければならないのは、標的市場の定義と戦略市場の定義は異なるということです。

ペプシの例に挙げられていますが、かつてのペプシは標的市場を「コーラ飲料を飲む全て人」で、競争相手もコーラ系企業で分かりやすかったわけですが、戦略市場を「喉の渇きをいやすものを飲む全ての人」と定義した途端、競争相手は、ソフトドリンク、果汁、コーヒー・紅茶まで拡張されることになります。

将来の有力事業を目指し、開拓・進出して行く“新市場”、これが戦略市場です。

複数の事業が併行して動いていくようになると、経営の観点から、どの事業にどれだけ資金を割り当てていくべきか、という経営課題で出てきます。

資金を割り当てる際には、複数の事業を、戦略事業単位(SBU)に分け、自社の事業ポートフォリオを見ながら、かつての有力事業、将来の有力事業など、各SBUを評価していきます。

どのように評価していくべきかは、また次回に。

(by インディーロム 渡邉修也)

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