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統計・世論調査を読む 
「中高年者縦断調査」から・その1

前回までは、「21世紀成年者縦断調査」を見てきましたが、今回から数回にわたって、同じ厚生労働省で年1回実施している「中高年者縦断調査」を見ていくことにします。

団塊の世代を含む、平成17年10月末時点で50~59歳であった全国の男女を追跡したもので、毎年の変化、例えば、配偶者はいるか、健康状態はどうか、介護の状況、仕事・家計の状況などを把握していくものです。

現在発表されている最新版は、第7回目の調査で、23年11月初旬に実施されたものになります。

最初の調査からこの第7回までに、6年が経過していますから、50歳だった人は56歳、59歳だった人は65歳になっています。これから見ていく数字は、50代後半と60代前半が、おおよそ半々とみてください。

まずは、就業状況から見ていくことにしましょう。

<第1回からの就業状況の変化:男性>

1.ひとつの企業・団体等の組織に  48.0%
おおむね20年以上いる(いた)

2.勤め先は変わったが、同じ分野  21.9%
の仕事におおむね20年以上従事し
ている

3.1や2に該当しないが、おおむね   9.9%
20年以上仕事(自営業を除く)に
従事している(いた)

4.自営業でおおむね20年以上、仕  15.1%
事をしている(いた)

5.仕事を中断し、それ以来仕事を   0.4%
していない

6.1~5以外の働き方をしている    3.3%
(いた)

7.収入を伴う仕事をしたことがない  0.1%

これを見ると、ひとつの企業・団体等の組織に20年以上いるという人が48%もいて、なかなかの安定度だなと思いますが、(いた)という過去形も含まれていますので、実際には、それほど高くはありません。

男性全体のうち、14.4%の方が、この6年の間に「退職」しています。

退職後1年以上、仕事をしていない人のうち、「定年等」で退職したいう人の92.2%が退職前の健康状態がよかった人でした。一方、「健康」が理由で退職したという人のうち、75.6%が退職前後の健康状態が悪かったと回答しています。

また、離職理由が「解雇等」の場合は、健康状態がよかった15.4%、悪かった13.8%と、数字上は大きな差はないようです。

次回も、この「中高年縦断調査」を見ていきたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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