統計・世論調査を読む
NHK「幼児視聴率調査」から
前回は、NHKの「中学生・高校生の生活と意識調査・2012」という調査をご紹介しましたが、今回は同じくNHKによる「幼児視聴率調査」(2012年6月)を見てみることにします。
皆さんは、幼児が1日に見るテレビの時間って、どれくらいか知ってますか?
なぜこの調査をご紹介しようと思ったかというと、うちの子は、現在5歳で幼稚園の“年中”なのですが、我が家の悩みは、子どもがテレビやビデオが大好きで、外で遊ぶよりも、画面を見ている時間が長いことなんです。
調査によると、2012年は、前年の2時間7分に比べ減少し、1時間53分となったそうです。(うーむ、うちのは、平均と同じくらいか、それより少し多いかもしれません・・・。)
この週末は、妻のママ友で同じ歳の子どもを持つ方が遊び来たのですが、こちらのお宅が自然派育児というのを実践されている方で、「家にテレビは置かない」というなんともNHK泣かせなお宅でして、そのお子さんと比べると、うちのはとても世間ずれした悪ガキいう感じで、初めて遊びに来た友だちに対する彼なりの接待というのが、「仮面ライダーのビデオ観る?」とか、「ケロロもあるよ」という具合で、トホホなわけです。(誤解のないように、付け加えておくと、こちらのお宅はお金をケチっているわけではありません~。)
あ、話がそれましたが、1日の幼児のテレビ視聴時間は、98年の2時間43分をピークに漸減傾向にあるようです。
NHKの報告をみると、幼児のテレビ視聴時間というのは、母親のテレビ視聴時間、就労状況と関係が深いようで、お母さんが朝ドラ観てる時は子どもも一緒に見ているわけで、母親がフルタイムで働き、保育園などにいる間はやはりテレビは見ないという関係です。
母親の働き方がフルタイムの場合は1日1時間未満の「短時間視聴」が多く、パート・アルバイトの場合はむしろ3時間以上の「長時間視聴」が多いようです。
一方、専業主婦の場合は、「短時間視聴」「長時間視聴」ではっきりした差はみられないとのこと。
また職業に関係なく、短時間視聴では、観る番組と時間を制限している母親が多く、長時間では特に制限していないという母親が多いという特徴があるようです。
テレビの視聴時間は漸減傾向にあるわけですが、ビデオやDVDの1日当たり視聴時間は増えていて、2011年の40分から46分に増えているそうで、テレビが減った分、ビデオやDVDへシフトしているようです。
調査の中で目に留まったのが、ビデオやDVDの視聴時間帯です。
子どもに人気のテレビ番組がやっている時間に、なぜかビデオやDVDを見ている子どもの比率が増えているようです。
これには、ハッとさせられました。
日曜の朝8時に仮面ライダーが放映されているのですが、うちの子は、テレビでリアルタイムで観るよりも、ビデオで観る方が好きなのです。けっして寝坊しているわけでなく、見ようとすればリアルタイムで見られるわけですが、ビデオの方が観たいシーンを繰り返し見られるから好きなのだそうです。
良し悪しの議論はとりあえず置いておきますが、言えるのは、こうした幼児の世界でも、情報は個別に取得し、個別に楽しむようになってきているという事実です。
随分前から、大人の世界では、会社の朝の会話において、昨日のプロ野球の結果やドラマなど、共通の話題が成立しなくなっているわけですが、子どもたちの世界でも、同様の状態が進行しているようで、世代に共通する記憶というものが持ちづらくなってきているようです。
(by インディーロム 渡邉修也)