アンケート再入門
「第3回 “属性” って何?」
前回は、オンライン・アンケートのメリット、主にコスト面についてに書かせていただきましたが、今回から数回に分けて、実際にアンケート調査の設計を行う際の留意点について考えてみたいと思います。
今回は、「属性」についてです。
「属性」とは、何でしょうか?
アンケート調査を実施したことがない方にとっては、ピンと来ない用語ですが、アンケート中でよく見かける「性別」「年齢層」「お住まいのエリア」など、要は回答した人(あるいは団体)の「プロフィール」を、把握するための設問になります。
アンケートの設問は、大きく分けて、「アンケートの趣旨」に関わる設問、例えば、次の首相には誰が相応しいと思いますか、といった設問と、回答者の「属性=プロフィール」を把握するための設問に分けることができます。
誰が首相に相応しいのか、“結果”だけを知りたければ、「属性」などは不要です。
しかし、実際のアンケート調査では、どんな人がどんな理由で、どういう考えやニーズを持っているかのかを把握するが方が、重要視される場合も多くあります。主にマーケティングを目的としたアンケート調査です。
例えば、「家庭用の太陽光発電ユニットについての興味・関心・購入意向」についてのアンケートを行う場合には、「住居が戸建てかどうか」、「年収」、「家族構成」、「年齢層」などは、「属性」の設問として是非入れておきたい項目になってくるでしょう。
こうした「属性」を把握することで、アンケートの趣旨にあたる設問である「環境問題に関心がありますか?」、「いくら位なら買ってみたいと思いますか?」、「住宅減税やエコポイントなどがあったらどうですか?」、「リフォームのご予定は?」といったことがらに関しての、それぞれの回答者の考えやニーズ、さらには購入意向などが把握されていくわけです。
こんなことは、いわずもがな話かもしれませんが、しかしながら、実際には、あまりに露骨に住宅や年収、家族構成について訊ねたり、いくら位なら買ってみたいかなど訊ねたりするアンケートは少ないものです。
それは、回答者に対して、このアンケートに答えることで、セールスの電話がや頻繁にかかってくるのではないか、という警戒心を与えなくないという配慮などもあると思います。
つまり、把握したい回答者の「属性」があったとして、それをどれくらいダイレクトにたずねるべきか、オブラートに包むべきか、“さじ加減”を考慮して「属性」の設問を検討する必要がある、ということです。
次回も、この「属性」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
<“アンケートメーカー”ご案内サイト>
http://enqmaker.jp/
(by インディーロム 渡邉修也)