マーケティング再入門 
「アフター・コロナへ向けたマーケティング・その12」

コトラーは「調査(A3)から行動(A4)」段階での脱落を最小限にするには「コミットメントを強化する」必要があると言っています。

A4段階の「行動」とは、すなわち購買行動(あるいは成約)になります。

90年代までは実店舗での販売が主流だったため。販売スタッフの販売技術指導では、ご購入がすなわちフィッシュであり、マーケティング的にもそこがゴールであったわけですが、ネット社会が前提となったA5モデルでは、購買イコール、ゴールではありません。

コトラーは、販売のスペシャリストではなく、顧客がA1からA5へと辿っていくカスタマー・ジャニーのマップの中で、それぞれのポイントで特定の役割を果たす「活動スペシャリスト」であるべきだと主張しています。

かつては、チャネルごとにそれぞれスペシャリストがいて、市場スペシャリスト(法人・個人、業界別など)、製品スペシャリスト(白モノ家電、オーディオなど)といった縦割りの関係があり、それぞれ自らのテリトリーの中で成果を上げることが重視されてきた時代もありました。

しかし、単に「モノを売る」から、「ブランド・コミュニケーション」へと大きく発想そのものが変わっていく中で、宣伝のプロ、販売のプロという考え方から、ブランドと顧客の接点の連続であるカスタマー・ジャーニーの中で「自分はどのように立ち振る舞うべきか?」を自覚し行動する活動スペシャリストへ変わるべきだ、というわけです。

実際、A5モデルでは、広告→認知→来店→推奨・交渉→購買という一直線ではなく、ネットで検索し、実店舗で確かめ、さらにネットで価格やポイント還元率なども比較し、どこで買うのか最終決定、ということも当たり前になってきています。

コトラーのマーケティング3.0や4.0が出た当時注目されたオムニチャネル・マーケティングは、上記のようなチャネル間を行きつ戻りつする顧客に対して、販売機会を逸することのないように各チャネル間に横たわっていた壁を取り払い、利便性を高めることから着手されました。

分かりやすい例では、店舗発行のポイントカードとネット通販のポイントの統合、受け取りを自宅、コンビニなど選択できる、などでしょうか。

ここ5~10年でかなり取り組みが進み、細部がブラッシュアップされてきたと思われますが、まだ、「シームレスなブランド体験」という領域に到達しているなと思わせるブランドは、アップルなどごく僅かだと感じられます。

ですが、「シームレスなブランド体験」は、何も規模の大小、資金力が全てではないと考えられます。

自らのビジネスを、顧客視点で、つまりカスタマー・ジャーニーのマップを描き、各顧客接点における「活動スペシャリスト」とはどうあるべきかを、検証しなおすことで見えてくるものがあると思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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