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マーケティング再入門 
「アフター・コロナへ向けたマーケティング・その6:
5Aモデルのカスタマー・ジャーニー」

「接続性の時代という今日、4Aの直線的で個人的な漏斗のようなプロセスは、アップデートする必要がある。新しいカスタマー・ジャーニーは、接続性によって生み出される変化に対応するように定義し直されなくてはならない。」(「コトラーのマーケティング4.0」より)

このようにして「マーケティング4.0」の中で、新たに提唱されたカスタマー・ジャーニーのフレームが「5Aモデル」です。

<「5Aモデル」によるカスタマー・ジャーニー>
Aware(認知)→Appeal(訴求)→Ask(調査)→Act(行動)→Advocate(推奨)

5Aモデルにおいては、マーケティングの目標は、顧客に「認知」から「推奨」へと進んでもらうにはどうしたらよいのか、ということになります。

コトラーによると、認知から推奨へと至る過程で、「自分自身の影響(own)」、「他者の影響(others')」、「外部の影響(outer))」の3つの組み合わせが、顧客の印象、考え、行動に影響を及ぼすそうです。

この3つが影響し合う圏内を「Oゾーン」と呼び、このゾーンの中で顧客は、そのブランドを認知、訴求、調査、行動、推奨と進んで行きます。

かつての4Aモデルは、「顧客」の認知から購入(再購入)への道のりをモデル化したもので、直線的かつ漏斗型で、先へ進むほど顧客の数が絞り込まれていくイメージでした。

一方、5Aモデルは、4Aモデルのような直線かつ漏斗型ではなく、3つが相互に顧客に影響を与え合い、様々な経路を経て、ブランドへの評価や行動も変化していくことから、「ゾーン」という概念を取り入れているわけです。

「自分自身の影響」とは、これまでの自身の経験や考え(思い込みも含む)などです。

「外的影響」は、広告やマーケティング・コミュニケーション、販売やサービス時点での印象や評価などです。

そして、今日3つの中で一番影響力が大きいと考えられるのが、「他者の影響」になります。直接の会話のほか、SNSで複数の友人・知人の意見や評価、さらに不特定多数の評価が集約される共同格付けサイトなどに強く影響を受けます。

コトラーは、移動性と接続性が高まり、即時かつ大量の情報にさらされるようになったことで、顧客の関心の持続時間と集中力が低下し、そのために、他者の意見や評価に依存する傾向が高まっていること、また、ブランドと顧客の接点である「タッチポイント」が増加し、個々のタッチポイントの印象が希薄になっていることを指摘しています。

コトラーは、そうした状況にあるからこそ、「回数は少なくても顧客に強い印象を与えるような重要なタッチポイントを作ること」、そして、「顧客との有意義なつながりを築くこと」がとても重要になっていると言っています。

(by インディーロム 渡邉修也)

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