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マーケティング再入門 
「アフター・コロナへ向けたマーケティング・その1」

コロナの影響で、人々の生活や考え方も変わってきていますが、今後も刻々と変わっていくと思われます。それに伴って、必要とされるモノやコトも変わっていきます。

これは、災害時に必要とされる物資や人的支援が、発生直後、1~2日目、3~7日目、1週間~2週間目、1か月後、それ以降と、どんどん変化していき、必要な時に、必要とされる場所に、必要な量を届けなければ意味がなかったり、多すぎたり遅すぎると無駄になってしまうということは、東日本大震災などの過去の災害から私たちが学んだことの一つですが、今回のコロナでも同じだと思われます。

兵站(ロジスティクス)は、現場のニーズを迅速かつ読み取り、今後の需要予測も立て、必要な物資や人を現場へ届けるものです。場当たり的に対応すると破綻してしまうので、きちんとした基本方針や戦略をもってことに当たる必要があります。

製品中心のマーケティングと呼ばれる古典的なマーケティング1.0時代のフレームワークであった「4P」は、言うまでもなく、プロダクト、プライス、プロモーション、プレイスであり、どんなものを、どこへ、どのように届ければ「一番効率的か」を追求するもので、まさに、兵站に近い発想です。

一方、コトラーがかつて提唱したSTP、すなわちセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングは、顧客(消費者)志向のマーケティングと呼ばれるマーケティング2.0の基本的なフレームワークとして使われてきました。

STPは、現在も今後も、フレームワークの基本として有効だと考えられますが、コトラー自身も「セグメンテーションとターゲティングは、ブランドと顧客の縦の関係─ハンターと獲物のような関係─を表すものであり、マーケターが顧客の同意なしに行う一方的な決定であった」(「コトラーのマーケティング4.0」)と書いているように、やはり前時代的なところもあり、修正しながら使うべきでしょう。

コトラーは同じ本の中で「デジタル経済では、顧客はブランド・ポジショニングの約束を、いかなる企業のものでも評価し、審査までするパワーを与えられている」と指摘し、ブランドと顧客の関係は、以前のような、ハンターと獲物の関係ではなくなったとしています。

また、「接続された世界において、マーケティング・ミックスの概念は、顧客参加の増大に対応できるように発展してきた。マーケティング・ミックスの4Pは、4C(co-creation=共創、currency=通貨、communal activation=共同活性化、conversation=カンバセーション)に改められるべきであろう」とし、ブランドと顧客の関係は、共創、協働の関係に変わったとしています。

コロナ以後のマーケティングの成否も、やはり共創、協働にいかに取り組んでいくかにかかっていると考えられます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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