マーケティング再入門 
「新興国マーケティングから日本を考えてみる・その2」

最近よく見かける言説の一つに「今の20代半ばより若い人たちは生まれてこの方、景気が良かったことがなく、かつてバブルを経験した50代半ば以上の大人たちとは、消費に対する感覚がまったく異なる」というものがあります。

もちろん各家庭の経済状態はピンキリなので、一億総中流というものが20年くらいかけて崩落していき、経済状態がジリ貧化していった状況下で成長してきた若者たちということになります。

また、学生の中には、中国企業の方が給料が高いので、中国で就職するという人も結構います。これも、50代半ば以上のバブル世代からすると認めたくないことかもしれませんが、現実にあることです。

さらに高スペック人材の国際間争奪戦になると、日本の大手企業であっても、年俸の差で競り負けるということも多いようです。

こんな事柄を並べていると暗くなってしまうので、このへんで止めておきますが、ようはかつての世界第2位の経済力という過去の栄光にしがみついていないで再成長へ向けての方策を模索していきましょう、と言いたいわけです。

「コトラーのマーケティング3.0」の中で、マッキンゼーが、インドの消費者の階層を分類し、各階層の比率が2005年から、2015年、2025年どのように変化していくのか予想したデータが紹介されています。

その階層分類は、グローバル(富裕層)、ストライバー(中位上位層)、シーカー(中流層)、アスパイアラー(上昇志向層)、ディプライブド(貧困層)というものです。

インドは、2000年代以降、急成長しておりディプライブド(貧困層)の比率が高かったピラミッド型から、ストライバー、シーカー、アスパイアラーの比率が増えたダイアモンド型へ着実に変化しています。

日本は、かつてのダイアモンド型からピラミッド型へ移行しつつあるわけです。

日本社会をピラミッド型からダイアモンド型に反転させていくための方策は、どんなものがあるでしょうか。

「コトラーのマーケティング3.0」では、バングラディシュで貧困層に無担保小口融資を行うグラミン銀行を設立したムハマド・ユヌスの「ソーシャル・ビジネス・エンタープライズ(SBE)」の事例を紹介しています。

「ソーシャル・ビジネス・エンタープライズ(SBE)」とは、ムハマド・ユヌスによる定義によると「自社を取り巻く社会にインパクトを与えながら、同時に利益をあげている企業」のこと。

また、SBEは、「非政府組織(NGO)でも慈善団体でもなく、最初から社会的目的を念頭に置いて結成」されます。

日本においても近年「社会的目的」を念頭に置いた「ソーシャル起業」というものが増えています。SBEについて研究、検証していくことで、日本における課題解決の糸口も見えてくる可能性は十分にあると思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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