マーケティング再入門 
「社会文化的変化を促すものとは・その3」

前回は、社会文化的変化を生み出す3つの段階のうち、第1段階の「取り組むべき課題の特定」について復習しました。今回は、第2段階の「ターゲット構成集団」を明確にするための考え方について、復習してみたいと思います。

ターゲット構成集団を選ぶためには、自社の、あるいはこれから立ち上げようとする新規事業の「ステークホルダー」について深く考察し、理解する必要があります。具体的には、消費者、従業員、取引先(供給業者、流通業者、販売業者など)、そして公衆全般(地域社会など)になります。

社会に大きなインパクトを与え、社会文化的変化を促すには、社会全体の中で大きな影響力を持っている集団をターゲットとして選ぶ必要があります。

コトラーは、構成集団を切り分ける際の目安として3つのタイプをあげています。

<構成集団 3つのタイプ>

  1. 性別や年齢によるグループ分け
  2. 中流階級
  3. マイノリティ・グループ

1つ目の性別や年齢によるグループ分けは、女性、若者、高齢者といった集団の分け方になります。

日本の場合は、生産年齢人口の減少は避けがたい現実であるわけで、消費に先立つ収入、収入に先立つ就労という点では、今後、就労者として参画が期待されている女性と高齢者(就労可能な元気なシニア)は、労働力としても、消費者としても、まだまだ伸びしろがあると考えられるため、ターゲット構成集団の候補に設定するのは妥当な選択と言えるでしょう。もちろん、事業によっては子どもや若者世代をターゲット構成集団に設定することもあり得ます。

2つ目の中流階級は、先進国において最もボリュームの大きな階層になります。

コトラーいわく「中流階級の人びとは貧しくはないが、限られた資力しかもっていない」とし、物的資産のほか、よりよい生活のために、健康、教育、社会公正などの問題解決についての興味関心をもっており、こうしたテーマに取り組むことで、中流階級を主要な構成集団として引き寄せる可能性は十分にあると指摘しています。

3つ目のマイノリティ・グループは、特定人種や、特定宗教の信者、障がいを持った人たちなどが含まれます。コーズ別での切り分けでは「社会公正」における「多様性」の追求・実現というテーマの中の構成集団として捉えられることが多いようですが、これについては、もはや「社会文化的変化を生み出すための・・・」というマーケティング上のテーマ設定以前の問題として、全て企業が取り組むべきことだと考えられますが、現実の社会では、まだまだ多様性やダイバーシティが十分に実現されていないため、依然として「社会文化的変化」の目標に掲げられているわけです。

次回は、社会文化的変化を生み出す第3の段階として「変化を生み出す解決策の提供」について復習します。

(by インディーロム 渡邉修也)

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