マーケティング再入門 
「社会文化的変化を促すものとは・その2」

「慈善活動は社会の変化を促しはしない。社会の変化が慈善活動を推進するのである」(「コトラーのマーケティング3.0」より)

コトラーは、マーケティング3.0/4.0を志向する企業であれば、慈善活動やコーズ・マーケティングの先にある「社会文化的変化を生み出すマーケティング」に取り組むべきだとしています。

コトラーは、社会文化的変化を生み出すためには、以下の3段階のプロセスが必要だと言っています。

<社会文化的変化を生み出す3つの段階>

  1. 取り組むべき課題を特定する
  2. ターゲット構成集団を明確にする
  3. 変化を生み出す解決策を提供する

第一段階の「取り組むべき課題」を選ぶには、次の3つの基準に基づいて選ぶ必要があります。

  1. 自社のビジョン・ミッション・価値との関連性
  2. ビジネス上のインパクト
  3. 社会的インパクト

コトラーは、多くの企業に選ばれる課題ものとして「健康」、「教育」、「社会的公正」、「プライバシー」をあげています。

健康は、とても分かりやすい課題で、薬品・食品メーカー、外食産業などが取り組みやすいテーマでしょう。

教育も、教育産業だけでなく、情報通信系企業が、ITリテラシーの啓蒙・啓発活動に取り組んだり、こどもたちにプログラミング教育を行ったりする例が多くみられます。

社会的公正で一番分かりやすいものはフェアトレード(公正貿易)や雇用の多様性、女性のエンパワーメントを掲げている企業、動物実験の禁止、DV(ドメスティック・バイオレンス)の防止・抑制などに取り組んでいる等です。

プライバシーについては、インターネットが社会に浸透する中でクローズアップされてきた課題です。電子決済や顧客データベースなどが当たり前になった現在、プライバシーの保護に対してどれだけ高い意識をもっているのか、データ流失や保全について、どのような対策をとっているのかが問われています。

こうしてみると、多くが1)の「自社のビジョン・ミッション・価値との関連性」をもとに課題を選定しているようであり、2)の「ビジネス上のインパクト」、3)の「社会的インパクト」ということまで生活者に実感させるレベルまでの事例はそうそうあるものではないということが分かると思います。

こうしたことからも「社会文化的変化を生み出すマーケティング」というものがコトラーが提唱しているから、流行ってるからという安易な取り組みでは成り立たないことがご理解いただけるでしょう。

(by インディーロム 渡邉修也)

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