マーケティング再入門 
「社会文化的変化を促すものとは・その1」

SDGs(持続可能な開発目標)が、2030年までに達成すべき国際社会共通の目標として掲げられているせいか、最近、コーズ・マーケティングという言葉が復活しているようです。

コーズ・マーケティングの「cause」は、コトラーの本の中では「大義」と訳されていますが、分かりやすい例では、この商品の売上の一部が恵まれない地域の子どもたちの教育費として寄付されますといったもので、特定の大義のために、その商品やサービスを選ぶことを消費者に提案し促すようなマーケティングを言います。

コトラーの3.0/4.0の中では、コーズ・マーケティングを必ずしも否定しているわけではありません。ですが、企業の社会的課題に対する取り組みについて、コトラーは、第1段階を寄付などの慈善活動、第2段階を先程のコーズ・マーケティングとすると、マーケティング3.0/4.0を志向する企業であれば、その先の「社会文化的変化を生み出すマーケティング」に取り組むべきだとしています。

コトラーは、慈善活動やコーズ・マーケティングはそれなりに有効ではあるが、多くの企業では、単なるPR戦略やマーケティング・コミュニケーションの一手段にとどまっていて、戦略的に成長や差別化を生み出すものとして捉えられていないと指摘しています。

また、(全ての企業とは言えないが)一部の企業については、慈善活動やコーズ・マーケティング・キャンペーンから、社会文化的変化を生み出すマーケティングへ移行することで自社のインパクトを強化することができる、としています。

マーケティング3.0/4.0のコンセプトの1つに「消費者をエンパワーメント」し、「消費者と協働する」ということがあります。

エンパワーメントとは自己実現を可能にし、消費者がピラミッドをのぼり、より高次の欲求を実現できるようにすることです。

よく言われるように、先進国の成熟市場においては、多くの消費者がマズローの欲求5階層のうち、生理的欲求、安全欲求、社会文化的変化くらいまでは満たされています。

マーケティング3.0/4.0が提唱する「社会文化的変化」を生み出すマーケティングとは、その上の承認欲求、自己実現欲求の段階へと、社会をよりよい方向へと変化させようという取り組みであり、そうした流れの中で消費者エンパワーメントや消費者との協働を行っていこうとするものです。

コトラーは、社会文化的変化を生み出すためには3段階のプロセスが必要だとしています。①取り組むべき課題の特定、②問題の主なターゲット構成集団の明確化、③変化を生み出す解決策の提供、です。

次回は、この「社会文化的変化を生み出す3段階のプロセス」を詳しく復習していきます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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