マーケティング再入門 
「3.0/4.0における社内マーケティング・その1」

「社員は会社の活動の最も直接的な消費者である。彼らは本物の価値によってエンパワーされる必要がある」(「コトラーのマーケティング3.0」より)

マーケティング3.0は、企業と消費者との関係を根本から見直し、企業の在り方、立ち位置、活動方針から、具体的な事業内容まで変えていこうとする運動でもあります。

それまでの「消費者」が、パートナーやサポーター的な存在となり、企業と生活者の協働関係を築いていこうとするわけですから、会社と従業員との関係も変わらなければならないのは当然と言えます。

雇用主と被雇用者、会社と労働者という関係のままでは、マーケティング3.0は、外づらの良いお題目で終わってしまうことでしょう。

コトラーは「組織の内部にいる社員が、まがい物の価値に気づくのは、消費者が気づくよりも、はるかに簡単だ」と言っています。

社員たちも、会社の従業員である以前に、日々消費行動を行い、SNSで情報閲覧し自らも情報を発信し得る、一人一人の生活者なわけです。

最初からマーケティング3.0/4.0的なコンセプトで起業したベンチャー企業の場合は、社内に向けてのマーケティング3.0のコンセプト浸透もしやすいと思いますが、歴史が長く人数の多い大企業の場合は、さぞかし大変だろうと思います。

コトラーは、IBM、GE、P&Gなどを例にあげ、やる気になれば、大企業であっても、マーケティング3.0のコンセプトを社内に浸透させることは可能であり、「企業の価値を実践することで、利益能力(Profit Ability)、投資収益能力(Return Ability)、持続能力(Sustain Ability)が生まれる」と言います。

ここでいう「企業の価値」とは、パトリック・レンシオーニが掲げる4つの「企業価値」のうち、特に「中核的価値」、すなわち「コア・バリュー」を重視しています。

<レンシオーニ 4つの「企業価値」>

  • 参加承認価価値・・・社員が入社時に既に備えているべき行動規準がもたら す価値
  • 願望的価値・・・現在は欠けているが経営陣が根付かせたいと考える価値
  • 偶発的価値・・・社員の共通のパーソナリティ特性によって得られる価値
  • 中核的価値・・・社員の行動を導く真の企業文化(=コア・バリュー)

コトラーは、コア・バリューを「共有価値」と呼び、「企業文化とは、共有価値と社員の「共通の行動」によって築かれる」としています。

「消費者にブランド・ミッションをマーケティングしていくためには、社員が価値を体現する大使として行動することが必要になってくる」のです。

次回は、社員が自ら大使として行動するようになるために、どのようなエンパワーメントが必要なのか、引き続き「コトラーのマーケティング3.0」から復習していきたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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