マーケティング再入門 
「これからの商品・サービスの開発・その10」

コトラーは、マーケティング3.0について、「マーケティングのやり方が消費者の行動変化や態度変容によって大きく変えられる段階」とし、消費者とマーケターの関係についても、「皆がマーケターであり、皆が消費者」であり、もはや「マーケティングはマーケターが消費者に対して行う活動だけをいうのではなく」、「消費者も他の消費者に対してマーケティングを行っている」としています。(「コトラーのマーケティング3.0」より抜粋引用)

これは、実は当たり前のことを言っているわけで、エアコンの購入検討している目の前の顧客も、実は食品メーカーで商品企画や宣伝を担当しているかもしれないし、税理士であれば自らの事務所の評判を高め、顧問先をいか増やすか日々思案しているかもしれないわけで、純粋な「消費者」というものはそもそも存在しないわけです。

ただ、以前は「消費者」側に立った個々人が、商品・サービスについて感じた評価を、ごく限られた周囲の人にしか伝えるしかなかっただけのことです。

これはコトラーが「マーケティング3.0を生み出す3つの力」の第1の力として「ニューウェーブの技術」をあげ、「個人や集団が互いにつながり、交流したりすることを可能にする技術」が、参加の時代、協働、共創を後押しするとしています。

ニューウェーブの技術とは、安価なコンピュータや携帯電話(※注1)、低コストのインターネット、そしてオープンソースで、これらがソーシャル・メディアの台頭と普及をもたらし、それにより生活者がニュースや考えや娯楽を単に「消費」するだけでなく、自ら発信し、創造する存在になることを後押ししたといいます。(※注1:「コトラーのマーケティング3.0」は、2010年に出版されたので、今であればスマートフォンやタブレットになると思います。)

コトラーは、ソーシャル・メディアの台頭によって、「信頼」が「縦の関係」から「横の関係」に変わったとし、「消費者は、企業よりも、他の消費者を信頼している」とし、「専門家よりもソーシャル・ネットワーク上の見知らぬ他人を信頼するようになった」と指摘しています。

そして、マーケターがこれまで製品の性能や他社製品との差異を伝えるために駆使してきた「説得の技」が通用しなくなってきたといい、消費者の信頼を取り戻すためには、これまでのマーケティング活動で主流をなしてきた「縦の関係」を軸にしたコミュニケーションから、「横の関係」に支えられる「新しい消費者信頼システム」へ移行する必要があるとしています。

企業が成功するためには、消費者が共創やコミュニティ化、そして、称賛に値するキャラクター(個性)をますます重視するようになっていることを、理解すべきだと指摘しています。

マーケティング3.0をベースとした製品開発は、このような時代の変化、とりわけ消費者側の情報量と情報交換のスピード、意識の変化を踏まえて取り組んでいく必要があるわけです。

次回もこの続きをお届けします。

(by インディーロム 渡邉修也)

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