マーケティング再入門 
「販売促進の考え方・その5」

前回は、グリコのキャラメルのオマケの問題点を書きましたが、もう一方の森永製菓「チョコボール」の方は、さらりと済ませてしまいました。

親が子どもに「チョコボール」を買い与える理由は、恐らく「おもちゃのカンヅメ」が当たってほしいと思いながら買っているわけではなく、単に隣にある似たようなピーナツ入りチョコ菓子よりブランド力があるからだと思います。

買ってもらう子ども側も、多くはそれほど強く「おもちゃのカンヅメ」にこだわっているわけでもないと思われ、スーパーやコンビニの菓子売り場で、小さな頃から親が買ってくれるお菓子だから、これが欲しいといったら、きっと親は拒否はしないであろうと薄っすらと思いつつ、おねだりしているのではないでしょうか。

まさに、これぞブランド力というべきものですが、そこで素朴な疑問として、もはや「おもちゃのカンヅメ」がなくても、たまにテレビCMを流すだけでもブランド力は維持できるのではないか?なぜ森永製菓は「おもちゃのカンヅメ」を止めないのか?ということです。

思いつくまま列記してみると、以下のようなことが想像できます。

  • 親に対する効果として、自分が子どもの頃やっていた「おもちゃのカンヅメ」を今も変わらず継続していることで、「チョコボール」というブランドに対する変わらぬ美味しさ、信頼感、安心感を与えることができる。
  • 子どもから「“おもちゃのかんづめ”って、なーに?どんなものなの?」と質問された時に、当てたくてもなかなか当たらなかったり、クラスで一人だけ当たった子がいて羨ましかったことなど、自らの思い出も交えて説明できる。
  • (これはあまりないと思いますが)銀のエンゼルが出た子どもを喜ばせようと、残り4枚の銀のエンゼルのためにお父さんが箱買いしてくれるかもしれない。
  • (これも確かなことは分かりませんが)実は大人も自分のために結構買っていて、そういう大人にとっては「おもちゃのカンヅメ」なしの「チョコボール」はあり得ないから。

実際、発売50周年であった昨年(2017年)、森永製菓では一粒の大きさを50倍にした「チョコボール〈ピーナッツ〉50倍」を限定発売したところ、瞬速で売り切れだそうです。また「おもちゃのカンヅメ」自体も、50周年を記念してリニューアルし、なでるとしゃべる金色のキョロちゃんにしたことで売り上げがアップ。森永製菓の2017年度の増収増益にも大きく貢献したそうです。

子どもにとっては50周年はあまり関係のないことなので、50周年キャンペーンは、子どもの頃「おもちゃのカンヅメ」に憧れたことのある、大きな子どもたち(つまり大人)に向けたキャンペーンだったわけです。

50年以上続くトップブランド。親子だけでなく孫世代まで含めた長~い販売促進策は、ブランド力維持施策としてまだまだ継続しそうです。

(by インディーロム 渡邉修也)

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