アンケートメーカー

マーケティング再入門 
「マーケティング・コミュニケーションの復習・その9」

前回、前々回と、人から人、集団から集団の情報伝達について復習しましたが、今回は、本題に戻り、プロモーション予算について復習してみたいと思います。

コトラー&ケラーの「マーケティング・マネジメント」では、プロモーション予算について「まずは目標を設定し、それを達成するために必要な予算を組んでいく」ことが推奨されています。

その手順として紹介されているのは、以下のような流れです。

[市場シェア目標の設定] → [広告によりメッセージが到達する市場比率の決定] → [メッセージを認知し製品を試用する見込み客比率の決定] → [試用率1%当たりの広告効果の決定] → [GRPの決定] → [GRPに基づいた必要広告予算の決定]

GRPといっても、恐らく広告宣伝畑や放送畑の人でないと何がなんだか分からないと思います。(私も大まかなことしか分かりません・・・。)

GRPとは「延べ視聴率」のことです。

「視聴率」とは、ある地区において、テレビのある世帯のうち、何パーセントがその番組を見ていたかという数字です。

視聴率1%の番組にTVCMを1回流すと1GRPとなるそうです。なので、視聴率15%の番組の中で2回TVCMを流したら、15×2=30GRPということになります。

つまり、15%の世帯にTVCMが流れた(到達した=到達率)× 2回流れた(2回見ただろう=広告接触の頻度)と見なしているわけです。

一説によると、商品を認知してもらうには最低3回は、広告に接触する必要があるとされ、さらにより強く印象づけるには、7~8回は接触するのが望ましい、ということです。

ある化粧品メーカーが女性用育毛剤を新発売するとします。ターゲットを仮に「40代~60代の薄毛が気になる女性」とすると、40代~60代の女性約2,500万人のうち、調査データなどに基づき、約3割の750万人が薄毛を気にしていると推定し、その中でさらに約2割の150万人が女性用育毛剤の購入を検討していると仮定したとします。

手順の中の最初の[市場シェア目標の設定]というのは、この150万人の女性用育毛剤の想定市場の中で、どのくらいのシェアを確保していきたいのか、という目標を設定することになります。

女性用育毛剤を買うかもしれない人に向けて、新商品を認知してもらおうとした場合、TVCMだけ伝えようとすると、何百、何千という数字のGRPが必要になり、多額の広告予算が必要になってきます。

次回は、限られた予算をどのように配分していくのかという、マーケティング・コミュニケーション・ミックスについて復習していきたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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