マーケティング再入門 
「チャネルについて考えてみる・その4」

今回は、「チャネルの統合」について復習してみたいと思います。

マーケティング・チャネルの中では、生産、卸売、小売、代理店、物流などがチャネル構成メンバーとして連動しています。特にリーダーシップをとる企業が存在しない場合には、メンバー各々が自らの利益を最大化するために、各自の思惑のもとに動いていくことになります。これをマーケティングの教科書では「伝統的マーケティング・チャネル」と呼んでいます。

しかし現実にはメンバーが全て対等の関係ということは稀であり、次第にリーダーシップを発揮する企業がチャネルの中核となり、メンバーをひっぱり主導していくようになってきます。これを「チャネル・キャプテン」と呼びます。

チャネル・キャプテンを中核として、それまでバラバラな思惑で動いていた企業群があたかも1つのシステムであるかのように、有機的に連携し機能していくようになるのが「チャネル統合」と呼ばれる状態です。

チャネル統合は、「垂直的マーケティング・システム(VMS)」と「水平的マーケティング・システム(HMS)」に大別されます。

マーケティングの教科書で力点が置かれているのはVMSの方で、生産、物流、卸売、小売の「縦」のラインを統合し、協調して動いていくことで、コスト削減、納期短縮、マーケティング施策の浸透度を高めていくことを目指すものです。

家電、自動車、化粧品、医薬品、事務機器など、メーカーがリーダーになっているものは、特約店、系列販売店など、非常に分かりやすいVMSの例になります。

小売側がリーダーになるケースは、コンビニや大手量販店など、売上高、販売数量の大きな企業が、バイイング・パワーによって、生産者、卸売、物流などを束ねもので、これも身近で分かりやすいと思います。

VMSを形態別に見ると、1つの企業が生産から小売まで主だったチャネルを自ら保有する「企業型VMS」と、保有はしないものの強力なブランド力を有した企業が他メンバーを牽引する「管理型VMS」などがあります。

また「契約型VMS」という形態もあります。これは単独ではチャネル・キャプテンになり得ないような企業群が契約によって結びつくことによって、スケールメリットや生産、物流、販売、広告の面などで協力していくもので、卸売業者が主催する「ボランタリー・チェーン」、「小売業者協同組合」、「フランチャイズ組織」などがあります。

最後に、水平的マーケティング・システム(HMS)についてひと言。これは、ガソリンスタンドとコーヒーショップなど、一見関連のない企業がタッグを組み、相互補完関係を構築するようなケースです。個人的な見解になりますが、HMSによる相互補完関係の構築は、人口減少の日本社会において、大手企業がカバーできない領域を埋めていくニッチビジネスのキーワードになり得るのでは、と私は考えています。

(by インディーロム 渡邉修也)

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