マーケティング再入門 
「価格設定を考えてみる・その4」

消費者は値上げを嫌います。しかし、製造コスト、流通コストなどの増加によって、値上げしなければならない局面もでてきます。

コモディティ化した日用品の場合は、1社だけ値上げしたら、おそらく一挙に他社にお客様を奪われてしまうでしょう。

そうした恐怖心があるため、消費税引き上げや税率改定のタイミングなどに、業界内のリーディングカンパニーが値上げした後、少しだけ日付をずらしつつ、各メーカーが追随して値上げをしていくことになります。

見かけ上の価格を変えずに、実質的な値上げをするやり方としては、容量を少なくする方法があります。よく知られた例では、消費税が5%から8%にアップした2014年春にヨーグルトやインスタントコーヒーなど、容量を調整しやすい製品において、見た目のパッケージのサイズ感はほとんど気づかない程度のマイナーチェンジにとどめ、内容量を少しだけ少なくする手法が取られました。

パッケージサイズ、内容量を少しだけ少なくする手法については、値上げだけでなく、値下げにも利用されます。有名な事例では、2011年にサントリーが、コンビニ限定で行った「ザ・プレミアム・モルツ」の350ml缶を330ml缶に変更することで、価格を引き下げた例があります。

容量を20ml少なくすることで、価格を十数円安くしました。それによって、コンピニの冷蔵棚で「ヱビスビール」と並んだときにお買い得に見える効果があります。また、価格を十数円安くしたことで、「アサヒスーパードライ」、「キリン 一番搾り」などのレギュラータイプとほぼ変わらない価格になるため、レギュラータイプ購入者の取り込みも狙った両面作戦ということになります。

ここでポイントとなるのは、コンビニでレギュラータイプのビールを買う層は、価格に対してそれほど鋭敏ではないということです。価格にシビアな層は、そもそもコンビニではなく量販店やディスカウントストアで値引きされたものを買うわけであり、だからこそ、レギュラータイプからのプレミアムタイプへの誘導、取り込みという図式が成り立ち、コンビニ限定の施策という意味があるわけです。

そのほか、見かけ上の価格を変えずに、実質的に値上げする方法としては、それまで無料で提供していたモノやサービスを「オプション」として価格の外へ出したり、サービス手数料という形で有料化する方法があります。

サービス手数料は、銀行やカード会社など、ユーザー数が多ければ多いほど、ドル箱の収益源になります。

なお、話しが値上げから外れてしまいますが、「オプション」については、サービスを提供する全ての業種・業態できわめて重要なことです。追加料金なしのサービスばかりでは、正当な利益を食いつぶしかねません。ここまでがレギュラー料金の範囲、これをやったら追加で幾らという「オプション」部分の料金表を最初に呈示しておくことで、お客様側の過剰な期待を抑制し、実際にも追加料金を請求しやすくなります。

(by インディーロム 渡邉修也)

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