マーケティング再入門 
「価格設定を考えてみる・その3」

需要は価格の上限を規定し、コストは価格の下限を規定。競合価格は調整点を規定する。

上記は「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」の中から「価格設定の3Cモデル」についての解説を私なりに簡潔にしてみたものです。

「価格設定の3Cモデル」とは、顧客の需要表(Customer's demand schedule)、コスト関数(Cost function)、競合他社の価格(Competitors' prices)になります。

顧客の需要表というのがピンと来ないかもしれませんが、これは「製品独自の特徴に対する顧客の評価」になります。

マーケティングや経営学の教科書に「3C」というのが最初に出てきますが、これはビジネスを考える上で、3つの利害関係者、すなわち顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)の視点で分析・整理すると、物事の見晴らしがよくなるというものですが、それの価格版と言ってもよいと思います。

前回は、主な価格の設定方法のうち、「マークアップ法」、「ターゲットリターン法」、「知覚価値価格設定法」の3つを復習しましたが、今回は「バリュー価格設定法」、「現行レート価格設定法」、「オークション型価格設定法」を復習してみたいと思います。

「バリュー価格設定法」は、その名の通り、高品質のものをお値打ち価格で提供するもので、イケアやユニクロなどが代表例ですが、この2社のように、製造から小売までを一貫して行う形態に限ったものではなく、開発、製造、物流、小売、マーケティングなど、サプライ・チェーン全体を見直し、改善していくことで、高品質とお値打ち価格の両立を実現して行こうとするものです。スーパーなどの小売業におけるエブリディ・ロー・プライシング(EDLP)もこのバリュー価格設定法の1つに数えられます。

「現行レート価格設定法」は、業界のプライスリーダーの価格に対して、同じ位、少し高め、安めというように決めていくものです。一見、前時代的と思われますが、これはこれで無用な価格競争を避け、需給バランスの中で安定取引を行うための“集合知”と捉えられているようです。

「オークション型価格設定法」は、複数の方式があって、「競り上げ方式(英国式)」と呼ばれ、ヤフオクやイーベイ(eBay)のように1人の売り手に対し、複数の買い手が入札しながら、最高値の人が競り落とすもの。対して「競り下げ方式(オランダ式)」は、BtoBのビジネスマッチングサイトのように、価格の安い業者が受注するというもの。そのほか「密封入札方式」と呼ばれ、1回だけ入札し、最安値をつけた業者が落札するという方針があります。

価格の設定方法は、業界や会社ごとに異なると思いますが、自社の商品・サービスがどのタイプに属するのか自覚した上で、「価格設定の3Cモデル」の3Cに沿って情報を整理し、価格戦略を立てていくことは有効なことだと思われます。

(by インディーロム 渡邉修也)

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