マーケティング再入門 
「サービスを再考してみる・その4」

前回からサービスの4つの特性(無形性、不可分性、変動性、消滅性)についてご紹介しておりますが、今回は「不可分性」についてです。

<不可分性>

多くのサービスの場合、生産(サービスの提供)と消費(サービスの享受)が同時に行われます。(車検やクリーニングなど「同時」ではないものもありますね。)

つまりサービスの提供者と享受者が同じ場所にいることが多いということです。(マッサージや美容サロンなどがその典型でしょう。)

もう一つは、サービス提供者は誰でもよいわけではなく、特定の提供者によって直接サービスが提供されることが期待されるケースが多いということです。(美容サロンでの美容師の指名が典型例です。)

美容サロンがビジネスを拡大するには、技術とセンスをもったヘア・スタイリストの人材を育成すること、次の段階では、育成した人材をベースに多店舗化を図るということが一般的かと思います。なので美容サロンの長年の悩みは、人材の確保と教育になるわけです。

こうしたサービスの不可分性は、ビジネスを拡大する際の足かせにもなりますが、チャンスでもあります。

弊社は、eラーニングのシステムを提供していますが、よく相談を受けるのは、セミナー講習の先生からで、「自分の身体は1つでなので、ノウハウをeラーニング教材化したい」というものです。これなどは場所と時間に縛られる講師業というビジネスを、ノウハウ自体を売っていくビジネスへ転換しようという試みとなります。

先日テレビで、配車アプリ大手のウーバーが、料理宅配「ウーバーイーツ」のサービスを日本でも開始するというニュースを見かけました。その中で、少人数を相手にする日本料理店の店長が「うちは店舗スペースが限られているので、ウーバーの宅配を利用することで売り上げをアップさせたい」とコメントしていました。

この日本料理店が、宅配によって顧客層の拡大と売り上げアップを実現できるのか、あるいは宅配もやることで既存顧客の評価を下げてしまうのか、まだ結果は分かりませんが、カウンター越しに料理を提供していた、いわば1対1の不可分性の典型のような料理店にとって、新たなビジネスモデルへの挑戦であることには間違いないと思います。

多くのサービスが「不可分性」という性質を持っているわけですが、人、場所、モノ(あるいはサービス)を分解して考えることで、新たなビジネスモデルを発想できるかもしれません。

次回は、サービスの特性のうち「変動性」について考えてみたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)

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