マーケティング再入門 
「差別化ポイントを発見するには・その4」

市場の中には、通常、似通った戦略をとる複数の企業が存在しています。マーケティングの分野では、これを「戦略グループ」と呼んでいます。

例えば、「学習塾」という市場は、一人に先生が何人を受け持つかいう切り口では「講義型」と「個別指導型」に分けることができ、目標設定レベルでは、ハイレベル校合格を目指す「受験型」と学校の授業についていけてない子のフォローする「補習型」とその「中間型」など分けること出来ます。そのほか、算数や英語に力点をおくところ、幼児に特化したところなど、かなりの種類があることが分かります。

仮に学習塾を新規事業として考えるならば、市場を細分化し、ターゲット(標的とする市場)を絞り込まなければ、当面のライバルとなる塾の特定もままならないことが分かると思います。

戦略グループを区分整理し、自社が現在どの戦略グループに属しているのかを明確にしておくことは、その後の戦略を考える上でとても重要なことです。

差別化ポイントは、自社が属する戦略グループ内の競合他社を分析することで、見えてきます。

まずは、各社の「強みと弱み」から。学習塾であれば、「講師の質」「指導方針」「学習環境」「料金」「合格実績」などいくつかの指標について、顧客調査から得られた評価を基に、各社の強みと弱みを分析していきます。

ここで重要なのは、各社のパンフレットやホームページの売り文句やネット上の口コミではなく、実際に調査を行い、顧客である保護者の声を出来るだけ拾うことです。調査は、アンケートでも、グループインタビューでも構いません。

次に、「市場シェア」「マインド・シェア」「ハート・シェア」を調べ、競合各社の数値を定期的にベンチマーキングするも有効だと言われています。

学習塾の場合は、市場シェアといっても、塾生の数によるシェアよりも、その地域の有名校への合格者数などで競い合うことも多々あります。受験型なのか、補習型なのか、戦う土俵によってどの数値を重視するかが決まってきます。

マインド・シェアとは、「学習塾で最初に思い浮かべる塾名は?」という問いかけであげられる塾名のシェアです。この質問は結構難しくて、冒頭に“個別指導の”を追加しても、“学習塾”を“進学塾”と置き換えても、それぞれ回答は変わってきます。出来るだけシンプルな質問がよいと思います。

ハート・シェアというのは「あなたのお子さんを通わせたい学習塾は?」というもので、こちらは、自分の(自分の子どもの)の現実よりは少し高めの理想や願望があげられることが多くなります。

マーケティングにとっては、マインド・シェアとハート・シェアの両方をいかに高めていくかが課題となります。

(by インディーロム 渡邉修也)