マーケティング再入門 
「差別化ポイントを発見するには・その1」

今回は、いかに差別化ポイント(主に相違点連想)を見い出していくのかという話です。

この連載の中で、「ポジショニングは製品に対して行うものではない。見込み客のマインドに対して行うものである」というアル・ライズの言葉を繰り返し引用してきました。

つまり、自社製品の優れた機能、デザイン、価格などの要素を、単に並べただけでは差別化とは言えず、お客様のマインドにポジショニングさせることもできないわけです。

イアン・C・マクミランとリタ・ガンサー・マグラスの2人が「新しい相違点連想の発見」の中で、いかに消費者の新鮮な洞察を引き出し、製品やサービスを差別化するか、ということを分析しています。

それによると「消費チェーン」、つまり「製品やサービスに関して、消費者が経験すると考えられる全過程」における消費者の思考や行動を詳細かつ丹念に辿っていくことで、“消費者の新鮮な洞察”を引き出すような、「新しい相違点連想の発見」できるはずであり、それに基づいて、顧客のマインドへのポジショニングもできるはずだ、ということです。

消費チェーンの分析は、お客様が自らの中のニーズに気づく瞬間から、廃棄するまで辿っていきます。

・どのような瞬間にニーズを感じるか(気づくきっかけは何か)
・必要と感じるのはどんな段階か(ニーズからウォンツへの変化のきっかけ)
・どのようにして情報を得るのか(テレビ、雑誌、知人、ホームページ、SNS)
・どのような比較検討をするのか(比較ポイントはどんなことか)
・誰に相談するのか(友人、家族、SNS)
・購入ブランド決定理由は何か(比較ポイントと実際の差異は何か)
・購入商品決定要因は何か(価格、機能、デザイン、特売など)
・どこで購入するのか(専門店、量販店、通販など)
・どのように購入するのか(現金、カード、一括払い、分割払い)
・購入時点の印象(店員の応対、通販サイトの使い勝手、包装状態など)
・購入直後の満足度(例:取扱説明書の分かりやすさなど)
・使用後の満足度(食品の場合、美味しさと価格のバランスなど)
・継続使用時の満足度(操作性、故障が少ない、丈夫で長持ちなど)
・廃棄時の満足度(引き取りサービスの有無、ゴミの減量化など)

こうした分析を丹念に行っていくことで、一見、コモディティ化し、機能・品質などで大差のなく差別化が難しいと思われている「納豆」のような分野でも、手を汚さずに、からしやタレを入れることが出来るなど、何かしらの改善点を見い 出すことができると思いますが、それくらいでは、残念ながら“消費者の新鮮な洞察”を引き出すような「新しい相違点の発見」とは言えないと思われます。

うーむ。“消費者の新鮮な洞察”なかなか難しいものですね・・・。

(by インディーロム 渡邉修也)