マーケティング再入門 
「細分化の多様な切り口・その1」

昨年秋から数回に分けて、市場の細分化について復習して来ましたが、細分化の手法の一つに「サイコグラフィックス」よる細分化があります。

これは、心理面、性格的特徴、ライフスタイル、価値観などに基づいて、購買者をグループ分けしていくものです。

有名なものでは、SRIビジネス・インテリジェンス社が開発したVALSというものがあります。

VALSとは、Values(価値観)とLifestyles(ライフスタイル)の意味で、米国人を、性格や行動パターンなど応じて、8つの基礎集団に分類したものです。

例えば「革新者」とは、成功していて、教養があり、活動的で「人の上に立つ」タイプで、自尊心が強い、とされています。
この層は、比較的高級でニッチ志向の製品やサービスを好む傾向が見られるということです。

革新者のほかに、思索者、達成者、経験者、信奉者、懸命者、創作者、生存者などがあります。

上記は、米国人の性格や行動パターンについて分類したものですが、日本版のVALSというものもあって、現状では以下のような10分類に分けられています。

革新創造派、自己顕示派、社会達成派、伝統尊重派、自己派アダプター、社会派アダプター、伝統派アダプター、同調派、雷同派、つましい生活派

米国版の方は、分類名を見ているだけでもなんとなく、性格や行動パターンが想像できそうですが、日本版の方は、○○○派とか、○○○アダプターとか、雷同派とか、一見しただけではどんな性格なのかよく分からない分類名です。

なんでこんなことになっているのか?

これは、日本人の性格や行動が、米国人より“複雑”だから、という見方もありますが、私が思うに、日本人多くが、隣人や“世間様”の様子を伺い、空気を読みながら行動する人があまりに多いために、そうした行動パターン、購買行動を表現するのに、米国人のような「○○者」というような分かりやすい性格による切り分けだと、きっと上手く表現できなかったのだと思います。
(日本版を作られた方々の苦労の跡がひしひしと感じられる分類名かと…。)

いっそのこと、阪神ファンかどうか、行列に並ぶかどうか、宝くじを買うか、おみくじを引くか、焼き鮭の皮を食べるか等、日本人の性格に係わっていそうな切り口を200~300項目くらい質問にして、その人の購買行動を照らし合わせ、パターン分析し、類型化していけば、もっと日本人が納得できる分類ができそうな気がします。

ビッグデータ分析が可能になった現在、やろうと思えば、それは実際に可能になっています。

(by インディーロム 渡邉修也)