マーケティング再入門 
「クラスター分析とは・その1」

マーケティングのSTP(市場の細分化、ターゲティング、ポジショニング)の過程で、統計データや独自の調査データを分析していくことも多い思います。

分析手法として、よく使われるものに「クラスター分析」があります。

クラスター(cluster)とは、群れ、集団という意味で、データをいくつかの群(グループ、集合)に分類することで、分析をしていくものです。

クラスター分析の手法には、いろいろなやり方があるのですが、大雑把に分けると「階層的手法」と「非階層的手法」に分けることができます。

階層的手法は、分析する項目群を、近しいもの同士を1つ1つくっつけて、徐々に群(クラスター)としてまとめていくやり方です。

近しいもの同士をくっつけていくうちに、次第に「樹形図」のようなものが出来上がってきます。この樹形図を「デンドログラム」と呼びます。

例えば、ある小学校の児童が1ヶ月間に食べたお菓子を全てリストアップしたデータがあるとして、お菓子の群を、近しいもの同士をくっつけていくと、そのうち、いくつかの群に分かれていくと思います。

ここで、どのような観点やルールでくっつけるのか、という問題が出てきます。

お菓子を、“大人の常識”的な線でくっつけていくと、しまいには、総務省の「日本標準商品分類」のような「ビスケット類」「米菓」「チョコレート類」「スナック菓子」など、徐々に大括りな群にまとめられていくことでしょう。

菓子メーカーなどが、定期的、定量的、定点観測的に、継続的な調査を行い、変化を見ていく場合には、上記のような定番の分けた方が、小学生のお菓子に対する嗜好の経年変化などを捉えやすいでしょうし、自社商品が各群(クラスター)の中で、どのポジションにあるのかも明確になってきます。何より汎用性が高いので、作業する側も安心感があります。

ですが、常識的な群で分けていくならば、そもそも1つ1つくっつけていく必要もなく、各商品のパッケージに記載された食品分類を見ればよいことです。

例えば、児童が、自分のお小遣いで買ったもの、親にねだって買ってもらったもの、家にあったので食べたもの(親が買い置きしたもの)というルールで区分けしたら、全く異なるデンドログラムが出来ることでしょう。

同じデータでも、分析のルールを変えるだけで、見えてくる風景ががらりと変わります。いつも同じ切り口でしか分析しないとするならば、重要な変化に気が付かない可能性もあります。

定期的に行っているいる調査データで、何か気になる変化兆候が見られた場合には、予想される変化要因のいくつかを用いて、いつもとは違った切り口で分析してみることも大切です。

次回は、「非階層的手法」のクラスター分析を復習してみたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)