マーケティング再入門 
「データベース・マーケティング その3」

データベース・マーケティングをより本格的に、より緻密にやっていこうとすると、CRM、すなわちカスタマー・リレーションシップ・マネジメントにいよいよ取り組んでいくことになります。

ただし、前々回のこのコーナーで書いたように、全ての企業、ビジネスにCRMが有効とは限りませんし、また、正しく運用していかないとむしろ逆効果になることもあります。

今回は、CRMを成功に導くためのポイントについて、おさらいしてみようと思います。

ペンシルバニア大学のジョージ・デイは、「CRMが効果を上げるのは、顧客との関係構築能力に関わる3つの要素を統合できたときである」と言っています。

その3つの要素とは、下記のようなことがらです。

1) 顧客維持を最優先し、顧客を満足させるための裁量を従業員に持たせるという、組織全体の志向の確立

2) リレーションシップについての情報(顧客データの質、企業全体での情報共有システムの構築)

3) 組織、カスタマー・リレーションシップ構築に向けた社内の連携

1番目の裁量を従業員に持たせるというのは、何もCRMに限った話ではありません。

お客様に、いかに満足していただき、リピートしていただくか、という意識を、全従業員が主体的に考えられるようになれば、CRMは半ば成功したようなものです。組織全体を、顧客志向にしていこうというわけです。

また、主体的に考え、動いていくためには、ある程度までの権限が必要になります。どこまでの権限を現場に委ねるべきか、明確なルールを作る必要があります。

2番目のリレーションシップについての情報は、できるだけ多く、できるだけ詳細に、さらに、誰にでも分かる形でデータ化されるべき、ということです。

良質な情報であっても、それが個人の担当者だけのものになっていては、効果は半減します。どのスタッフが対応した時でも、そのお客様にとって、良質で満足のいくサービスが提供できるようにするということです。

3番目は、顧客満足度と顧客維持率向上のために、従業員がどれだけ貢献したのかを、公平に評価するための尺度を作り、実際に成果を上げた従業員に対して適切にインセンティブを与えるべきということです。

ジョージ・デイによると、CRMに成功している企業は、単にCRMのシステムだけを構築し、データを集め、分析しているだけではなく、従業員が自発的、主体的に、カスタマー・リレーションシップの構築と強化に取り組めるような“仕組みづくり”をしっかりとやっている、と指摘しています。

もっともな話だと思います。次回は、企業対企業のカスタマー・リレーションシップマネジメント(BtoB CRM)について復習したいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)