マーケティング再入門 
「データベース・マーケティング その1」

コトラーは、「多くの企業は、顧客メーリング・リストと顧客データベースを混同している」と指摘しています。

顧客メーリング・リスト(※日本では、顧客リストといった方が分かりやすいですね)は、電話をしたり、メルマガを発行したりするためのもので、氏名、電話番号、メールアドレス、住所、役職などの情報だったりします。

対して、顧客データベースの方は、非常に多くの情報を蓄積したもので、顧客のこれまでの購買履歴や、問い合わせ内容、営業担当者とのやり取りの履歴、デモグラフィックス(生年月日、年齢、年収、家族構成、趣味などの顧客のプロフィールにあたるもの)、サイコグラフィックス(活動、関心、考え)、メディアグラフィックス(よく見る媒体)など、あらゆる情報を含みます。

カード会社や、大手通販企業など、顧客データベースを重視する企業では、一人の顧客に関して、数百~数千件のもデータを蓄積しているといわれます。

分かりやすい例では、アマゾンに行くと、過去の購入した商品やカートに入れたことがある商品の情報を基に、そのユーザー向けにカスタマイズされたおすすめの商品が表示されるといった機能は、顧客データベースを基に表示されているわけです。

ただし、データは単に蓄積するだけではあまり意味はありません。

蓄積されたデータを、営業担当者やお客様相談窓口の担当者が必要に応じて、また、データへのアクセス権限に応じて、利用できるような仕組みが構築されていたり、あるいは、上のアマゾンの例のように、自動的におすすめ商品を表示したりするようなプログラムを組んでおく必要があります。

そうした点では、顧客データベースは、お金と手間がかかるものであり、小さな企業にとっては、なかなか敷居が高いことも事実です。

コトラーの本の中でも、扱っている商材によっては、顧客データベースまで構築・運用する必要はなく、顧客リストで充分な商材もあるとしています。
一生に一度購入するような商材(グランドピアノなど)をあげています。

確かに、グランドピアノは、アフターサービスがあるため、顧客リストは必要かもしれませんが、詳細なデータは不要かもしれません。

ですが、考え方によっては、いつどこを修理したのか、調律はどの調律師がやっているのか、実際に弾いているのは家族の誰か、プロなのか、アマチュアなのかなど、それなりの顧客情報の蓄積は大切です。

ただし、それがデータベース・マーケティング的に意味をなす情報なのか、個々の顧客固有の情報が中心で、“数量的”に分析してもあまり意味のない情報なのか、商材によって判断していく必要はあるでしょう。

次回も引き続き、データベース・マーケティングについて復習していきます。

(by インディーロム 渡邉修也)