マーケティング再入門 
「CRMについて」

前回までは、「顧客価値」について、顧客生涯価値(CLV)、カスタマー・エクイティなどのキーワードを復習してきました。

顧客生涯価値を最大化するには、顧客ロイヤルティを長期的に維持し強化していくための取り組みが不可欠となります。

それがカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)です。

コトラーの本の中では、CRMの基本原理として、ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャースが90年代に確立したワン・トゥ・ワン・マーケティングの枠組みがそのままCRMマーケティングにも適用できるとして、紹介されています。

<ワン・トゥ・ワン・マーケティングの枠組み>

1)見込み客と顧客を特定する。

2)「顧客のニーズ」と「自社にとっての顧客価値」という観点から顧客を分析する。

3)一人ひとりのニーズについての知識を向上させ、さらに強力なリレーションシップを構築するために、顧客と交流する。

4)各顧客に向けて製品、サービス、メッセージをカスタマイズする。

全ての人を追うことをやめるために、まずは利用価値の高い顧客データベースを構築していかなければなりません。

そのうえで、最も価値の高い顧客(Most Valueable Customers : MVC)への注力する比重を高めていきながら、その顧客の現在価値を割り出し、生涯価値を高めるための施策を打っていきます。

一人ひとりにカスタマイズした情報・サービスの提供については、ウェブの時代になって多くの企業で導入されるようになりました。

アマゾンの購入履歴や閲覧履歴に応じた情報提供や誘導が一番分かりやすい例となります。

また、顧客との強力なリレーションシップ構築の成功例として、よく上げられるのがハーレーダビッドソンです。

ウェブを通じた取り組みをもちろん行っていますが、本業のオートバイの売り上げのほか、デザイングッズの販売でも大きな成果を上げており、そのことが、さらにユーザーのロイヤリティを高めていくという強固なスパイラルを生み出しています。

全ての人を追うことはせず、自社ブランドのユーザーグループの強化に専念した成果といえるでしょう。

(by インディーロム 渡邉修也)