マーケティング再入門 
「成長機会の評価」

前回は、起業からある程度の年月が経過したら、事業の検証と再定義をした方がよいということと、戦略事業単位(SBU)のさわりの部分をご紹介しました。

今回は、複数の事業をどのように評価し伸ばしていくべきかという話を、例によって、コトラー&ケラーの本から拾っていきたいと思います。

企業が将来へ向けて成長戦略を練る際には、複数の事業について、それぞれの「成長機会の評価」を行います。

評価をもとに、伸びそうな新規事業の計画を進め、古くなり今後先細りしそうな事業については合理化または廃止の判断を下していくことになります。

成長機会には、以下の3つの機会があるとされます。

・集中的成長機会:現在の事業の中でさらに成長できる機会の発見。
・統合的成長機会:現在の事業に関連した事業開発または買収機会の発見。
・多角的成長機会:現在の事業に関係ないが魅力的な事業機会の発見。

第一に検討すべきは「集中的成長機会」です。

既存事業を改善し伸ばす機会を見つけるためには、アンゾフの製品/市場拡大グリッドを用います。

<アンゾフの製品/市場拡大グリッド>

       既存製品       新製品
    ┌─────────┬─────────┐
既存市場│1.市場浸透戦略 │3.製品開発戦略 │
    ├─────────┼─────────┤
 新市場│2.市場開拓戦略 │ (多角化戦略) │
    └─────────┴─────────┘

スターバックスのハワード・シュルツは、この4つの成長ステップをきちりと踏みながら、スターバックスを世界企業へと成長させたと言われています。

第1の市場浸透戦略では、高付加価値のコーヒーを提供するカフェで、シアトルでの顧客ロイヤルティを獲得。第2には、シアトルでの成功方程式を持ってロサンゼルスへ進出。以降、全米に店舗拡大。第3は、音楽CDなど、店内で販売する新商品を開発しました。

ハワード・シュルツだから成功したという人がいるかもしれませんが、1つ1つとつ辿っていくと、それほど驚くようなイノベーションがあるわけではありせせん。ひたすら、1つ1つをきっちりとやり遂げているのですね。(まあ、スピード感はありますが。)

「一歩一歩、約束した以上の実績を積み上げていく。長い目で見れば、それが成功するための唯一の秘訣なのだ。」(ハワード・シュルツ)

ビジネスに携わる私たちが忘れてはならない金言ですね。

(by インディーロム 渡邉修也)