マーケティング再入門 
「マーケティングの対象とは・その2」

前回はマーケティングに携わる人が対象とする10種類の内、財、サービス、イベント、経験、場所、資産、組織までを見てみましたが、今回は残りの「情報」と「アイデア」について。

情報については、ビッグデータを想起された方が多いのではないでしょうか。
アイデアでは、コンサルティングのビジネスなど。

マーケティングの対象の中では、この情報とアイデアはとりわけ重要です。

はた目には、同じような製品を販売しているように見えるA社とB社でも、情報とアイデアの扱い方が異なると、同じ土俵での競争に見えていても実は別次元のビジネスをしていることになり、中長期的には全く違った結果が待っているからです。

またまたコトラーからの引用で恐縮ですが「マーケティング・マネジメント」の情報とアイデアの項で紹介されている2つの事例です。

「我々の製品は必ずしもレントゲンやMRIというわけではない。むしろ情報である」(シーメンス・メディカル・システム CEO トム・マッコースランド)

「工場では化粧品を作り、店では希望を売る」(レブロン チャールズ・レブロン)

アイデア(idea)というのは、文字通り「発想」であり、ものごとをどのように理解し概念化していくか、ということです。

ビジネスの先達たちのアイデアの中には、シンプルだけど凄みのあるものが多いですね。

有名なのは、ジレットの創業者の安全剃刀を売るのではなく、替え刃を売るのだという発想。「今この瞬間にも、世界中の男たちのヒゲが伸び続けていると思うとワクワクする」という超前向きな思考法も凄いっす。同じ発想で2000年前後に日本中の駅前でADSLモデムをただで配りまくった孫正義さんも凄かったと思います。

情報については、水野和夫さんの「資本主義の終焉と歴史の危機」の中で、イタリア、スペインから、イギリスへ世界の覇権が移った背景として、海軍力のほかに、それまでラテン語圏に専有されていた知的情報が、ルターの宗教改革と印刷技術の進歩によって英語圏にも拡散し、次第に情勢が変わっていったことが指摘されていました。

私たちのビジネスにおいても、信頼に値する情報を出来るだけ早く収集し分析していきたいものですね。

(by インディーロム 渡邉修也)