マーケティング再入門 
「マーケティングとは?・その3」

前回は、コトラーの「マーケティングとは、顧客の価値と満足を理解し、創造し、伝え、提供すること」というマーケティングの定義で締ましたがいかがでしたでしょうか?

当たり前のことを言っているだけじゃないか、とおっしゃる方もいると思いますが、当たり前のことが出来ない、頭で分かっていても行動や結果に反映できないのが、私たち凡人でございますね。

味読という言葉がありますが、ここは一つ、コトラーの定義をよーく噛みしめてみたいと思います。

コトラーは、「マーケティングを最も短い言葉で定義すれば『ニーズに応えて利益を上げること』」となるとも言っています。

ここでも、起点は「顧客の価値と満足」ですね。ここが欠けているようでは、利益は望めない、ということでしょうか。

私も、ウェブ制作など、デジタル系のものづくりの現場に20年間どっぷりつかっておりますが、請負仕事の場合、直接のお客様(仕事の発注者)が求めていることと、その先にいるお客様(ユーザー、消費者、生活者など)の本質的なニーズが、ない交ぜになっていて、ぼやけてしまっているなと感じるプロジェクトが多々あります。皆さんもきっと、そう感じられる局面は少なくないと思います。心したいところですね。

コトラーはまた、マーケティングの社会的な定義と経営的な定義とは分けて考えることもできる、としています。

まずは、経営的な定義から。マーケティング・マネジメントとは、

「ターゲット市場を選択し、優れた顧客価値を創造し、提供し、伝達することによって、顧客を獲得し、育てていく技術および科学。」

いわゆるマーケティングのSTP(セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング)からはじまって、チャネル政策、プロモーション、販売、そしてロイヤルティの醸成までが網羅されています。

マーケティングの社会的定義については、どうでしょうか。

「マーケティングとは個人や集団が製品およびサービスを創造し、提供し、他者と自由に交換することによって、自分が必要とし求めているものを手に入れる社会的プロセスである。」

うーむ、「自由に交換」、必要なものを手に入れる「社会的プロセス」ときましたか。もはや、これは新・価値交換説ですな。モノやサービスに限定されず、あらゆる価値を交換する。

例えば、タクシーはA地点からB地点まで顧客を安全に移動させることで対価を得ますが、浅草や太秦の人力車は、移動距離ではなく、体験(=ユーザー・エクスペリエンス)を提供してすることで対価を得ている。案外、進んだビジネスかもしれませんね。

次回も引き続きコトラーからの受け売りで、「あるゆる価値」について考えてみたいと思います。

(by インディーロム 渡邉修也)